春の訪れとともに、花粉も飛んできました。今日は悪天候で名残雪と呼ぶにはあまりにも本格的な降り方になっています。
今回はアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの「モーニン」の紹介をします。
アート・ブレイキーは1919年にピッツバーグで生まれ、1955年にアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーを結成しました。このアルバムはまさに彼の黄金時代の幕開けのきっかけになった一枚のアルバムと言って良いでしょう。
ブルーノートを聴く上での、このアルバムは避けては通れない登竜門となっています。(あくまで私の独断ですが・・・。)日本でも「モーニン」は当時蕎麦やの出前持ちもそばを片手に口笛を吹いたと言われたほどのヒット曲なのです。
アルバムの誕生は当時パッとしなかった彼のグループが、アルト奏者のジャッキー・マクリーンの都合が悪く代役として同郷のテナー奏者、ベニー・ゴルソンに声を掛けたことをきっかけにゴルソンがブレイキーの信頼を得、音楽監督の地位に就き他のメンバーの入れ替えもし結果ベストメンバーとなり作られました。
まずトランペッターはデイジー・ガレスピー楽団のリー・モーガンを連れてきてフィラデルフィア出身のピアニスト、ボビー・ティモンズとベイシスト、ジミー・メリットを加えて新生ザ・ジャズ・メッセンジャーズを誕生させてこのアルバムを吹き込みました。
さてなんと言っても、このアルバムの目玉は「モーニン」でしょう。ピアニストのティモズの作曲であり彼の力強いタッチと、モーガンの火を噴く様なトランペットの吹きっぷりとアート・ブレイキーの巧みなドラムさばきが印象的です。ブレイキーの見せ場はなんと言っても「ドラム・サンダー組曲」であり彼のドラミングをたっぷりと見せ付けた曲になっています。「ブルース・マーチ」はゴルソンの作曲でありメッセンジャーズのレパートリーの中でも「モーニン」と並んでヒットした曲です。その他の収録は「アー・ユー・リアル」「アロング・ケイム・ベティ」「カム・レイン・オア・カム・シャイン」です。
アート・ブレイキーを聴くならまずこのアルバムをお薦めします。ブレイキー&ザ・メッセンジャーズの良さがたっぷりと詰まっているからです。
次回はブルーノートをはなれてアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの日本での初めてのライブアルバムを上下2回に分けて紹介したいと思います。
参考資料、東芝EMI(株) YOSHI
それにしてもアート・ブレイキーは、才能ある若手を次々と発掘しましたね。個人的には、「チュニジアの夜」も好きですね。リー・モーガンはいいですよ。
生でアート・ブレイキーを聴いたのは斑尾ジャズフェスティバルだったかなあ。すごい真の通ったドラムだなあと思いましたね。彼のドラムを聴いてドラマーになろうと思った人は少なくないでしょう。まさに珠玉の一枚ですね。
チュニジアの夜はライブで最後に演奏する定番曲でした。