深井動物病院からのお知らせ

堺市・深井駅近くの動物病院『深井動物病院』からのお知らせのブログです

たかが歯石くらいと思わないでください。

2011年12月08日 | 病気や治療について
重度な歯石付着によって歯周病が進行し、大事な歯を抜かなくてはならなくなった
犬や猫はたくさんいます。
たかが歯石と思わないでください。
その仔の生活の質を著しく下げていることに気付いて下さい。


最近くしゃみがひどい、ということで来院したダックスです。口臭がひどく犬歯にはご覧のように
重度な歯石付着とそれによる歯肉後退が見られます。犬歯はすでにぐらぐらです。
くしゃみは鼻炎ではなく、犬歯歯根先端まで細菌感染が進行して鼻腔内に開口し排膿しているからです。
犬歯という最大の歯を抜かなくては治りません。


すでにぐらついていた歯なので簡単に抜けました。しかし大きな穴が開いてしまいました。
このままでは飲食物がこの穴から鼻腔内へ流れてしまいます。


閉じるのは手間がかかります。骨を削り歯肉を弁状に切り出して穴にかぶせて縫合します。
歯肉はとても弱い組織なのですこしでも張力がかかると切れてしまいます。


これは別のダックスです。(重度な歯石はなぜかダックスに多い)右眼下に大きな傷ができて来院しました。
皮膚が大きく脱落欠損しています。皮膚の下で化膿が進行したために壊死したのです。
こういう場合はほとんどが臼歯歯根の細菌感染が原因です。


右上臼歯に重度な歯石付着と歯肉に穴があいているのが見えます。
この仔は歯がとても悪くすべての歯が感染を伴う歯周病で歯根周囲に膿が溜まっていました。


本来臼歯を抜くのは大変な作業ですが、すでに歯根がダメージを受けているので簡単に抜けました。
他の歯もほとんど抜いて合計で17本抜歯(!!)しました。写真でも犬歯の後ろに歯がないのがわかります。


壊死して大きく欠損した皮膚も無理やり縫合して閉じました。
この仔は犬歯4本とあと数本の歯が残っただけです。


歯石除去は鎮静下でおこなう処置です。
そのことで二の足を踏む飼主さんも多いです。
でも、歯石がたくさん付いた歯で毎日暮らしている動物の身にもなってください。
少しの時間の鎮静とどちらが不快でしょうか。
重度になればなるほど手間も時間もコストもかかります。
(この2頭のダックスはいずれも処置に1時間30分以上かかりました。)
時機を見て歯石は定期的に除去しましょう。
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