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尼崎連続変死 茉莉子さん死亡直前「様子おかしい」 夫が監視モニターで確認
産経新聞 2月5日(火)12時33分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130205-00000531-san-soci
兵庫県尼崎市の連続変死・行方不明事件で、民家の床下から遺体で発見された仲島茉莉(まり)子さん=発見時(29)=への殺人と監禁の疑いで再逮捕された茉莉子さんの夫、仲島康司容疑者(43)が、死亡直前の茉莉子さんについて「(監禁された)小屋の監視カメラのモニターを見て、おかしいと思った」と供述していることが4日、捜査関係者への取材で分かった。兵庫県警は、茉莉子さんが死亡する可能性を親族らが予期できたとみて、詳しい経緯を調べている。
また、逮捕された親族らは、角田(すみだ)美代子元被告(64)=昨年12月に自殺=について「茉莉子さんが死亡する数日前、顔を何度も踏みつけていた」と供述。茉莉子さんの身体を洗濯ばさみで挟んだり、スリッパの先で突いたりする虐待も加えていたとも説明しているという。
捜査関係者によると、茉莉子さんは平成20年7月以降、美代子元被告の自宅マンションで、バルコニーにあった監視カメラ付きの物置小屋に少なくとも2カ月以上監禁され、美代子元被告や親族らがリビングにあったモニターで小屋内の様子を見ていたという。
仲島容疑者は調べに対し、茉莉子さんが同年12月に死亡する直前、モニターで自ら衰弱ぶりを確認したと話し、「かなり衰弱した状態で、様子がおかしいと思った」と供述。死亡する可能性を認識していたことを示唆したという。
一方、茉莉子さんの遺体遺棄について、茉莉子さんの妹、角田瑠衣(るい)容疑者(27)が「その場にいた」と供述していることが判明。ただ、すでに死体遺棄罪の公訴時効(3年)が成立しているとみられる。
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茉莉子さんの監禁写真を押収、安藤さんの姿も 尼崎連続変死
産経新聞 2月5日(火)14時44分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130205-00000128-san-soci
兵庫県尼崎市の連続変死・行方不明事件で、主犯格とされる角田(すみだ)美代子元被告(64)=昨年12月に自殺=の自宅マンションから、バルコニーの物置小屋で監禁中の仲島茉莉子(まりこ)さん=発見時(29)=の姿が映ったモニターの写真を、兵庫県警が押収していたことが5日、捜査関係者への取材で分かった。茉莉子さんと同様、民家床下から遺体で発見された安藤みつゑさん=同(71)=が映ったモニターの写真もあるという。県警は、美代子元被告の親族らが自宅のリビングで小屋内部の様子を認識していた可能性が高いとみて詳しい状況を調べている。
捜査関係者によると、茉莉子さんは平成20年7月以降、美代子元被告の自宅マンションで、バルコニーにあった監視カメラ付きの物置小屋に少なくとも2カ月以上監禁され、同年12月に死亡。安藤さんも同年秋、美代子元被告とトラブルになった末、茉莉子さんと同じ小屋に監禁されたが、数日後に死亡したとみられる。
押収した写真の一部には、リビングにいる美代子元被告や親族らが写っており、リビングにあった監視カメラのモニターに、茉莉子さんや安藤さんの姿が映されたものも含まれていたという。周辺関係者らによると、親族は「美代子元被告は普段から写真を撮るのが好きだった」と証言。県警は茉莉子さんの顔が大きく腫れ上がった写真など数百枚以上を押収している。
県警は5日午前、殺人と監禁容疑で李正則容疑者(38)ら3人を神戸地検に送検した。
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「茉莉ちゃんに申し訳ない」長女犠牲、次女は容疑者に…父、自責の日々 尼崎連続変死
配信元:2013/02/04 10:23更新
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/627471/
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この記事に関連するフォト・情報記事本文 「家族を守れなかった。茉莉(まり)ちゃんに申し訳ない」。兵庫県尼崎市の連続変死・行方不明事件で、遺体で見つかった仲島茉莉子さん(29)の父、谷本明さん(60)が産経新聞の取材に応じた。主犯格の角田(すみだ)美代子元被告(64)=昨年12月に自殺=の暴力的支配の下、長女の茉莉子さんは殺害され、次女の角田瑠衣容疑者(27)は姉殺害犯の一人となった。今は自責の念にさいなまれながらも、次女の更生と再会を願い続ける。
高松市で保険代理店を営んでいた谷本さんは、元妻と茉莉子さん、瑠衣容疑者の4人家族。「茉莉ちゃんはおっとりして音楽や絵が得意。瑠衣ちゃんはしっかり者で頑張り屋さん」。近所でも評判の仲良し姉妹だった。
茉莉子さんは平成14年、仕事の幅を広げるため英国に1年間留学。瑠衣容疑者も夏休みに茉莉子さんを訪ね、帰国後は「語学を勉強してツアーコンダクターになりたい」と夢を語った。
だが翌15年2月、高松市内の自宅に美代子元被告らの集団が押しかけ、平穏な暮らしは一変した。
「どうすんねん。いくら出せるんや」。軟禁状態の中、連日深夜まで「家族会議」が開かれ、親族間の暴力や知人らへの借金を強要された。美代子元被告は腕を組み別室からにらんでいた。
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記事本文の続き 瑠衣容疑者は次第に美代子元被告に取り込まれた。「何とかして家族を助けなければ」。元妻と茉莉子さんを逃がし、自らも15年9月に知人宅に身を寄せた。翌年、行方が分からない家族3人の消息を求めて尼崎市にたどり着いた。
偽名で身を潜めながら3人を捜したが、分からずじまい。「どこかで生きているはず」と信じてきたが、現実は残酷だった。
昨年10月、尼崎市の民家の床下から茉莉子さんは遺体で見つかり、元妻も21年に病死していたことが判明した。「最悪な結果。僕だけ生き残ってしまった」と声を詰まらせる。
だが、いちるの望みもある。瑠衣容疑者がすべてを話し、罪を償おうとしていると聞いたからだ。「瑠衣ちゃんには罪を償ってほしい。そしてまた、父娘として再会したい」。谷本さんは目を潤ませた。
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「尼崎連続変死事件」はなぜ見過ごされ続けたのか
配信元:2013/01/03 11:20更新
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/619238/
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このニュースに関連した特集尼崎ドラム缶遺体
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.記事本文(9)「死刑判決」頭がパンクしそう…裁判員の負担、重くなる一方に戻る
【事件の座標軸(10)】
平成24年に最も世間を震撼(しんかん)させた事件が兵庫県尼崎市の連続変死事件だ。10月に民家床下で3遺体が見つかってから、角田(すみだ)美代子容疑者(64)=殺人容疑などで逮捕、自殺=の周辺で行方不明者が続出していたことが表面化した。家族に入り込んで暴力で支配していくという奇々怪々な事件は、尼崎や高松など広範囲を舞台に四半世紀にわたって続いたが、警察は事件の兆候に気付けなかった。その背景には「民事不介入」の意識から抜けきれない警察と、「警察は本当に助けてくれるのか」という住民の不信感も垣間見える。
■著名なクレーマー
「あいさつもできんのか!」
狭いエレベーター内に殺気を含んだ怒声が響いた。美代子容疑者のけんまくに、乗り合わせた住民は戸惑うばかりだった。
尼崎市の8階建て分譲マンション。約10年前から最上階の一室に住んでいた美代子容疑者らは、建物内や近くの商店街で有名な「クレーマー」だった。
誰もが忌み嫌っていた。そんな存在の美代子容疑者らとのトラブルに巻き込まれないため住民がとる手段は、ただ関わらないようにするのみ。当然、不審な点があっても警察に通報する人はいなかった。
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記事本文の続き 兵庫県警によると、美代子容疑者らはマンションに転居して以降、周囲と数々のトラブルを起こしながら、警察署への通報や相談は「なかった」という。
結局、異様な集団の存在を把握できないまま、マンションの室内やバルコニーに設けられた監禁小屋では男女5人が命を落としたとされる。
■繰り返される悲劇
一連の事件のそもそもの始まりは、美代子容疑者の知人女性が「殺害され、尼崎市の海に遺棄された」との証言がある約25年前にさかのぼる。
以降、美代子容疑者は、養子縁組を利用し、義妹の角田三枝子容疑者(59)=殺人容疑などで逮捕=や義理のいとこの李正則容疑者(38)=同=らと疑似家族を作り上げた。
些細(ささい)なことに言いがかりをつけて相手の家に乗り込み、時には家族間での暴力を強制する一方、一部の家族だけをかわいがる。美代子容疑者は疑似家族を引き連れ、「アメとムチ」を巧みに使い分ける手法で、さまざまな家族の財産をむしり取っていった。
“美代子容疑者ファミリー”によって離散に追い込まれたのは、判明しているだけで4家族にも上る。
平成23年11月に尼崎市内の貸倉庫で、ドラム缶にコンクリート詰めにされた状態で見つかった大江和子さん=(66)=一家の場合、きっかけは大江さんの次女(42)の元夫(43)が、勤務先の鉄道会社で、美代子容疑者からのクレームを処理したことだった。
美代子容疑者は元夫を自宅に呼びつけ、長時間叱責するなどして精神的に追い込んだ。一家の財産を奪った上、大江さんを暴行して死なせ、遺体を処理することに元夫ら家族も関与させた。
23年10月、耐えかねた大江さんの長女(44)が美代子容疑者の元を逃げ出し、被害を訴えたことが、一連の事件を白日の下にさらすことになった。だが、それ以前に、警察が事件に気づく機会が皆無だったわけではない。
■「嗅覚」の劣化
尼崎市のマンションで命を落としたとされる5人のうち2人は15年ごろ、美代子容疑者らが押しかけた高松市の一家の家族だ。激しい暴力にさらされた一家の男性は地元の警察署に窮状を訴え、家族のけがに気づいた近所の住人の通報で警察官が駆けつけたこともあった。
しかし、香川県警は身内や金銭トラブルとして処理してしまう。美代子容疑者が巧妙に身内同士の暴力を強制したため、県警も第三者が関与した暴力事件として認識せず、被害届も提出されなかったことから見過ごされた可能性が高いという。
当時、県警に相談した一家の関係者は「当事者は恐怖に身がすくみ、身内同士ならなおさら被害を強く訴えられないのは当然。警察はなぜ、もっと敏感に『何かおかしい』という意識をもって動いてくれなかったのか」と憤る。
一家の親族女性はこのころに死亡したとみられており、香川県警がもう少し深く事情を聴いていれば、これ以降の「惨劇」を食い止められた可能性もあったかもしれないのだ。
沖縄県警の対応もずさんだった。
17年7月、三枝子容疑者の夫=当時(51)=が沖縄県の崖から転落死した。多額の保険金がかけられ、美代子容疑者ら多数の同行者がいる中での転落という不自然な状況だったが、県警は現場周辺の聞き込み捜査もしなかったという。一連の犯行に気付く最大のチャンスは見過ごされた。
いずれも経緯をみる限り、事件の兆候をつかむ警察の「嗅覚」が劣化したとしか思えない対応だった。
■「専門部署を」
4年前にも警察との“ニアミス”があった。
香川県警に訴え出た高松の一家の男性の妻=当時(59)=はまもなく自宅を逃げ出し、しばらくの間、和歌山県内で隠れて暮らしていた。
ところが、美代子容疑者らに見つかり、居住先を連れ出された。20年3月、意識不明の状態で大阪市内の病院に搬送され、不審に思った病院側が大阪府警に通報。だが、府警が詳しく事情を聴こうとしたところ、すでに府外に転院。目立った外傷がなかったこともあり、詳しい捜査はされなかった。女性は21年に別の病院で死亡したという。
これほど警察と接点がありながら、なぜ被害を途中で止められなかったのか。
常磐大大学院の諸沢英道教授(被害者学)は「警察が民事不介入の意識から抜け切れていないこと、警察に対する不信感が社会に定着していることも背景にある」と分析する。
今回の事件では多くの共犯者のほか、異様さに気づいていた周囲の人たちも美代子容疑者を恐れ、ほとんどが口を閉ざしてきた。
諸沢教授は「相談しても捜査してくれるのか、ちゃんと守ってくれるのか、という疑念から警察に頼れなかった可能性がある」と指摘。その上で、最近、ストーカー事件への不適切な対応が相次いだことを踏まえ、こう提言する。
「身内同士のトラブルなど事件としての見極めが難しい案件について、専門に対応する部署を新設することも検討すべきだ」
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