Fuji Trip!

水豚先輩の週末旅日記

新春18きっぷの旅 中部編 その4

2016-02-10 22:31:19 | とりっぷ!



浜松駅では少しばかり途中下車をしてみる。
高架化されたホームを降りると、広々とした自由通路があって、南北の出口をつないでいる。
もっとも栄えているのは北口のようで、円形のバスターミナルがあることは前から知っていた。

バスターミナルに行くにはまずは地下通路へと降りて、そこからエスカレーターを上がらなければならず少々面倒である。
しかし、金沢駅など、半円を描いているバスターミナルはあれど、美しく円を描いているのは日本では非常に珍しい。

でも、実際に訪れて見るよりも案内図やgooglemapで見たほうが円形であることを実感できて楽しいかもしれない。


ターミナルを発着するバスをしばらく眺めてから、駅へと戻る。
東海道線は浜松駅で上下線の運行がほぼ分離しており、当駅始発の列車が多い。
また、18時台は運行本数も多いので待てば必ず座れる。

ホームに着くと、18:27発の静岡行きが発車したばかりのようで、閑散としていた。
それでも5分程度待っていると、次の列車が入線してきた。
オールロングシート車であるが、隅の席を確保して発車を待つ。




18:38 浜松駅発 東海道本線【普通】静岡行き

浜松からは長い長い静岡県横断の旅路が始まる。
終点の静岡までは約70分。

東海道五十三次の宿場町と同じ名前の駅にいくつも停車していく。
天竜川、大井川、安倍川などの大河を渡るのもこの区間であるが、すでに日はとっぷりと暮れて鉄橋を渡る音のみ聞こえてくる。
日中に途中下車をしたら愉しそうな区間ではあるが、通過のために通るには単調な区間である。

暖かい車内でうとうとしていると、思ったよりも早く静岡駅に着いた。


19:50 静岡駅到着


 

静岡駅では10分あまりの接続時間で熱海行きの列車に乗り換えることもできるが、そのあと20:20にはホームライナーが運行されていたので、
それに乗ることにして一度途中下車をする。

浜松駅にも似た新幹線ホームと並列になった高架ホームを降りると、南北をつなぐ自由通路がある。
ホームライナーでゆっくりと読書でもしたくなったので、書店に立ち寄ることにする。

駅ビルは20時閉店のため諦めて、地下道を潜って葵タワーにある戸田書店へ立ち寄る。
ずいぶん新しいビルで、同ビルには静岡美術館も入っているらしい。
ちなみに戸田書店という本屋は静岡を拠点に展開していて、この葵タワーに入っている店舗が本店のようである。

20時を過ぎたころにホームへと戻って、自販機でライナー乗車のための整理券を購入。
静岡県内の朝夕に走るホームライナーは乗車整理券310円を支払えば乗車することができる。
購入した券は当日きっぷサイズの小さなもので、号車と座席番号が印字されていた。
座席分だけ販売して座席は自由というわけではなく、座席も指定されるのは意外であった。



発車10分前には特急型車両が入線。
身延線の特急「ふじかわ」や昔は快速「ムーンライトながら」や特急「東海」に使用されていた車両。

広々としたデッキにリクライニングシートが備えられた車両に乗れるのは18きっぷ旅としては最高の贅沢だ。
乗車率は3割ほどで、利用者はあまり多くないようである。


20:20 静岡駅発 東海道本線【ホームライナー沼津8号】沼津行き

静岡駅を発車したホームライナーは特急のような速さで夜の静岡県をひた走る。
東海道新幹線が完成して、高速バスが発達した今日では静岡の東海道本線を走る特急は「ふじかわ」のみになってしまった。
そのため、朝夕に走るホームライナーは貴重な存在である。

調べてみると、「ホームライナー沼津」のほかに「ホームライナー静岡」、「ホームライナー浜松」が運転されているらしい。
特に、下り線のみで運行される「ホームライナー浜松」は乗り得な列車で、沼津から浜松間の長距離を乗り換えなしで1時間40分で結ぶ。
これでも乗車料金は距離に比例せず一律310円であるからうれしい。


この「ホームライナー沼津」は停車駅が清水、富士のみ。
あっという間に終点の沼津駅に到着する。

長いと思っていた静岡横断も、ホームライナーを使えば気分転換にもなるしよい。

21:00 沼津駅着







この駅では静岡駅をホームライナーより18分前に発車した普通列車の熱海行きと接続する。
しかし、同一ホームの乗り換えではなく、乗り換え時間3分なのでわりとシビアではある。

6両編成の普通列車は思ったよりも混んでいた。
沼津から熱海の峠を越えて移動する人は意外と多いのかもしれない。




21:03 沼津駅発 東海道本線【普通】熱海行き

三島、函南と過ぎて約7.8㎞ある丹那隧道に入る。
東海道線最大の要であるこの丹那隧道は不安になるほど長い。

いつも熱海駅に着くと関東に帰ってきた安心を覚えてしまうのも、この丹那隧道すなわち熱海峠の存在が大きい。
この隧道が物理的・心理的境界であるような気がする。

隧道を出れば遠くに熱海の街のネオン。
見慣れた15両編成の東海道線。

やはり、帰ってきた感じがしてしまうのである。


21:22 熱海駅着

ここからは首都圏近郊。
続けざまに列車が来て乗り換えのテンポが速くなる。

一旦、階段を下りて東京方面の東海道線ホームへと移るとすぐに列車が来た。



21:27 熱海駅発 東海道本線【普通】東京行き

乗り慣れたE231に乗車してラストスパート。

2015年から「上野東京ライン」が開通して東海道線も少し変わった。
日中は新宿・池袋回りの湘南新宿ラインと東京・上野回りの上野東京ラインの2系統で宇都宮線・高崎線に乗り入れが基本になった。
熱海駅でも「前橋」だとか「黒磯」という表示を見るようになるとは正直思わなかった。
それでも、東京駅に23時以降に到着する列車のみに「東京行き」が残されている。

この21:27発の東京行きは小田原駅で始発の快速アクティーに接続する。



21:48 小田原駅着

21:50 小田原駅発 東海道本線【快速アクティー】東京行き



東海道線の快速アクティーは小田原から藤沢間のみでその威力を発揮している、云わば「区間快速」のようなものである。
小田原駅を出ると、国府津・平塚・茅ヶ崎の順に停車する。

出発地と同じ横浜線の古淵駅に戻ると横浜経由で遠いので、茅ヶ崎駅で相模線へと乗り換える。

22:13 茅ヶ崎駅着



 



茅ヶ崎駅の相模線ホームは一番端にある。
東海道線の15両編成対応ホームからは見劣りのする4両編成ホーム。
何とも言えないラインカラーの相模線を見てほっとひと安心。

日曜日であるから、出発時刻が近くなっても車内はそんなに混んでおらず、座ることができた。


22:22 茅ヶ崎駅発 相模線【普通】橋本駅

本日最後の列車は相模線。
原当麻駅まで乗車する。

乗客のほとんどが香川駅とか寒川駅あたりで下車し、海老名で少しだけ乗客が乗ってきた。
日中に乗車すると田畑を走る風光明媚な路線であるが、夜はただのローカル線である。

 

23:03 原当麻駅着

関東と中部を二大幹線でぐるっと一周。
距離は764.4㎞、時間にして約18時間。

飽きることもなく、心地よく1日中列車に乗ることができた。
1日という時間と2370円という制約の中でも、中部地方まで行って帰ってくることのできる日本は狭いし便利である。

時には気ままに列車での漂流。
いいかもしれない。



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