会社法雑記帖

会社法業務の末端でもがく一会社員の雑記帖。

東京地裁、ニレコの新株予約権発行差止決定を認可

2005年06月14日 | 会社法雑記帖
H17. 6. 9 東京地方裁判所 平成17年(モ)第6329号 保全異議申立事件
http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/$DefaultView/6DACA69F9DE6105C4925701F000D9C2F?OpenDocument

ニレコの新株予約権発行の差止決定に対し、ニレコは保全異議申立をしていたが、
東京地裁は6月9日、原決定認可の決定を下した。

ニレコは東京高裁に保全抗告を申し立てている。
http://www.nireco.co.jp/jap/ir/hozen.html

今回の東京地裁の決定は、先の6月1日の決定とほぼ同様の内容に
なっている模様。
特徴としては、「商法の定める権限分配法理」が何度も繰り返し
出てきている点が挙げられる。

ニレコのプランのスキームは、買収者が現れていない平時において、
特定の日現在の株主全員に現に新株予約権を割り当てるもので、
その割当日より後に株式を取得した株主は、買収者が現れて
新株予約権が行使されると、買収者もろとも持分が希釈化されて
しまうという損害を受ける、という点に特徴がある。
他社で導入が相次いで発表されている、信託型やSPC型の
ライツプランとは、その点において大きく異なる。
この点について、東京地裁は、ニレコのスキームでは、
新株予約権が割り当てられた段階(実際に行使された段階
ではなく)で、株主に損害が生じていると認定している。

そのほかにも、平時において、濫用的買収に対する防衛策として
新株予約権を発行する場合に総会決議を要するか、などの
論点について、判断が下されており(原則として総会の決議を
要する、というのが東京地裁の判断。)、他のスキームの
導入を検討する際にも、非常に参考になると思われる。

ニレコの新株予約権発行差止め

2005年06月07日 | 会社法雑記帖
ニレコの株主であるファンドが、同社の「セキュリティ・プラン」としての
新株予約権発行の差止め仮処分を求めていた件で、6月1日、東京地裁は
新株予約権発行を差し止める決定を下した。

東京地裁の決定文http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/webview/88299A542BDC7FA649257015000CEE97/?OpenDocument

内容はまだきちんと読めていないが、
先に公表された経産省・法務省の「買収防衛策に関する指針」よりも、
平時の防衛策に対して厳しい要件を課す内容となっているとの報道が
なされている。