まほろば日記

fujioの日常の出来事、記録等を思いつくままに書いた日記です

大山縦走す。

2016-07-16 22:46:30 | 日常
平成28年7月16日
今日、八つ峰縦走の訓練の一環として大山を縦走しました。
予報では雨とのことでしたが外れて晴れのち曇りの登山日和でした。
このコースは縦走禁止とされています。尾根道の崩壊が激しいため転落等の事故が多発したためです。至る所に「縦走禁止」の看板が掲げられています。より危険な岩壁のクライミングは容認されているのですから看板に「一般登山者縦横禁止」と書かれればよいのですが仕分けが困難なのでしょうか。私も久しぶりに行きましたが崩落が激しくとても一般登山者がいけるところではないと思いました。今までは身軽でバランスの良い人は通行されていましたが今では見ただけでも行く気がしない荒れようです。今日も一般登山者が3パーティが先行していかれましたがいずれも引き返されてきました。これからは一般人で行く人はないでしょう。ザイル等の装備、技術と訓練をした人のみ行くことが出来る文字通りのバリエイションルートです。中止の判断は賢明で良いことです。私はクライミングをやっていますがザイルで確保され、信頼できるビレヤーがいなけれがとても行く気にはなれません。今までは固められた幅20センチ程度の道がありバランスが良い人は何とか通行できたが今回はその道も10センチもないところが多くその道すら浮いており荷重をかければ崩壊しそうな有様、ラクダの背の中央にコブ部分の小山がありますがその岩石はただ置いてあるだけの浮石で、ちょっと触れただけで落下した。またザイル操作で当たっても落下します。恐らく数年後には崩壊して無くなってしまうでしょう。現在でも崩壊が進行し剣が峰側からは10m余り下らなければなりません。崩れやすい斜面を下るのが危険なのでザイルを設置しました。頂上部分に40センチの鉄杭を3本打ち込み支点としました。ラストが安全に下るため設置したのですが一般人を呼び込むことにならないか・・・ちょっと考えましたがこの前後の道は厳しくてザイルがなければいけそうにないので一般人はこれません、余分なものを設置したかもしれませんがまぁ勘弁してください。今回は50mザイルを使用したがぎりぎりで60mあれば足場の良い場所でビレできます。参考に。
このルートの難易度について西穂高岳から奥穂高岳の方が難しいとの記述がされていましたがこれは全くの誤りです。西穂高岳からの縦走路は安全施設が完備しており体力があればだれでも行けます。こちらはバリエーションルートで安全施設は皆無です。最近は特に崩落が進行して細い道もさらに狭く浮石ですから危険この上ない一般人には無理なルートです。このラクダの背の写真なども古い情報では一般人が通行くている写真が掲載されていますが、今は全く違います。状況は日々悪化しています。日付等の最新の情報を確認して判断してください。
今回気付いたこと。
宝珠尾根からユートピア小屋に行くとき、中宝珠越え、上宝珠越えの道は通行禁止となっています。下宝珠越え経由で登りましょう。
南壁側の崩落が激しく上から見たのではわかりませんが草付の道の下が抉れて雪庇のようなところが至る所にあります。御注意を。
中宝珠のピーク付近からは天狗沢の全景がよく見え、下部のスラブ、中央部分の滝など全体の構成がよくわかります。ここしか全景はみれません。天狗沢のアイスクライミングを計画している人には最適の場所です。
ユートピア小屋付近はこの時期素晴らしい花園です。これだけでも来る価値があります
大山の夏山登山道はよく整備され大変歩きやすくなった。それに比べ広島県は整備が非常に遅れている。我々が負担している森林税はいったい何に使われているのでしょうか。腹立たしい限りです。
今回も大山でなった仲間4人の冥福を祈り、天狗沢を見下ろす稜線で般若心経を唱え線香を焚いた。そのお蔭か我々を守ってくれ無事に計画通りに行くことが出来ました。それとも大神山神社で1000円賽銭を納めた御利益かな。
夏山登山道入口にある遭難慰霊碑を大山登山の時にはお参りして、これからも守ることを後輩たちに引き継ぎ、申し送りした。
参加者からは「このような厳しく激しい緊張感を初めて体験した。非常に意義のある山行でした」とのお言葉を頂いた。良い訓練になりました。八つ峰縦走でも成果を発揮してくれることでしょう。
(写真は最大の難所 ラクダの背の中央部分を乗り越えるところ。赤いザイルにより10m下降し、岩稜をトラバース。幅も狭く浮石だらけで緊張するところです。落ちるなら左側北壁側に落ちましょう。南壁側(右側)は垂直で止まりません。
100m以上滑落しますからまず命はないでしょう。)



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