まほろば日記

fujioの日常の出来事、記録等を思いつくままに書いた日記です

奥穂高岳南稜・トリコニー山行

2015-08-12 22:14:39 | 日常
平成27年8月7日~10日
トリコニーは奥穂高岳吊尾根から岳沢に伸びる尾根の中間にある3つの岩峰で日本アルプスの紹介者であるウエストンと道案内の上条嘉門次が初登攀した古典的ルートです。
今年の私の第一目標とするルートです。

懸念された台風13号も中国大陸に向かい登山中の影響はなさそうであり一安心。
7日夕方広島発、福山を経由し途中で仮眠をとり翌朝8時上高地着。
河童橋から穂高連峰を望むと3本槍のトリコニーもよくわかる。
いよいよこれから始まると気持ちも高まる。
昼前には岳沢小屋に到着。翌朝は暗いうちの取り付くようになるのでコースの下見に行く。
岳沢を登りきるあたりは雪渓が残っている。取り付きにはおおきなシュルンドがあり、下る位置を確認する。
事前の情報通り扇沢と滝沢の中間のルンゼを登る。この付近は上部の谷の落石が堆積し足場が悪く歩くたびごとに足元の石がが崩れる。岩壁に取り付くが微妙なバランスも必要であり重い荷物を背負い上るのはかなりの時間と体力を要する。古い下降地点のハーケンを補強して2回懸垂しておりる。小屋から終了地点の南稜の頭までは標高差1000m。
重い荷物を背負っては時間もかかり、バランスを取りにくいので軽装備の日帰りで行くことに変更。
翌朝は3時30分起床、未だ真っ黒なので、朝食の弁当を食べ4時20分出発。取り付きは2番目である。次々と挑戦者が現れる。5から6パーティーはいる。
いくつもの岩壁を乗り越え、ハイマツを分け入り7時40分1峰に到着。絶景なり。次の2峰の頂上で昨年遭難された藤石君の追悼を行う。ご家族の方より託されたお供えをし般若心経を唱え御霊の安穏を祈念する。
次に3峰は稜線よりはずれた下部にあり、見過ごしてしまった。浮石だらけの稜線を登りきるとそこは終了地点の南稜の頭である。今日ここで飲むコーヒーは一味違う。「うまい」
遭難地点と思われる下りは滑りやすく、浮石も多い。当時は雨とガス、それに加え強風で大変だったでしょう。
谷底に向かい手を合わせ祈る。多くの登山者が行きかう。その中に大型のザックの8人組がありどこから登ったのかと聞くと「昨日は奥又白でテント泊、A沢を登ってきた」とのこと。驚きました。こんな大形の荷物であのA沢を登るなんて。考えれば下るより登るほうが見やすいのだから、今後のコースを考えるとき参考になりました。紀美子平でパトロールの隊員に会いました。一人昨年の遭難事故の救助に参加した方に会いました。奇遇ですね。また昨日A沢のシュルンドの下から単独の行方不明者を収容したともいわれました。ご苦労様です。
16時前岳沢小屋に帰りました。しかし今日はテント泊。昼間は灼熱の炎天下、でも夜は寒いくらいで熟睡しまた。今回の山行で感じたこと。年には勝てない。技術はある程度は維持できるが体力の衰えは否めない。「若い者に離され、「ゆっくり行きなさい」という場面が何度もありました。年齢を経ての体力維持難しいですね。
また課題が出来ました。
(写真は岳沢から見たトリコニー、3本槍の岩峰です)


コメント
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