2018年12月24日
12月13~15日と大変短い期間だったが、韓国の済州島(チェジュ島)を訪れてきた。
うーん、やっぱり韓国。ハングルしかないからさっぱり分からない~。
宿探しにはちょっとだけ苦労しましたが、
無事に予約していた安宿「チェジュゲストハウス」に到着!
もう夕方だったのでとりあえず街中と東門市場という名所に行ってみた。
済州島といえば、みかんの一大産地。市場もみかんがいっぱい!
そして何より海の幸!
歴史をしのぶ場所にもいくつか行ってきました~^^。
というのは、今回はどうでもよくて!
今回の訪韓の目的は、「済州島のイエメン人のリアル」を知ること。
日本ではほとんど報じられませんでしたが、2018年の夏、
たくさんのイエメン人難民が済州島に逃れてきたのです。
これも日本ではほとんどの人が意識していませんが、
イエメンの外務省渡航情報では、今でも一番危険な真っ赤です。
そんな祖国を追われたイエメン人が向かったのが、
ビザなしで入国できるマレーシア。
さらにそこから、観光客誘致のために広くビザの免除をしていた済州島に、
マレーシア経由でたくさんのイエメン人が逃れてきたのです。
アラブや中東、イスラム世界のことが大好きな僕は、単純にそのことを知っていました。
ですが、8月の報道を最後に、日本のニュースでは全く報じられなくなったのです。
これはどういうことなのだろう?と思い、僕は実態を少しでも知るべく、
済州島に行ったのでした。
まずはとにかく現地の方に話を聞くのが一番なので、
とっても親切な宿のスタッフにヒアリング。すると・・・
「イエメン人?もうチェジュにはいないと思うよ?」とのこと。
なぬ?色々聞いてみると、夏から徐々に半島の方に移動していったとのこと。
しかし、全員が移動したわけではなく、中には残っている人もいるはずなので、
取材できるんじゃないかな?という意見もありました。
どうしようかな~と悩んでいたら、あるスタッフが
「すぐそこに済州島の入国管理局があるから、行ってみたら?」
とのこと。
おお、それはぜひ行こう!
ということで、翌日の朝一。向かったのは入国管理局。
しれっと中に入って、受付のおねえちゃんに「あの~、イエメン人のことって分りますか?」
と聞いてみた。すると、
「私は何も分からないけど、3階の難民担当の部署に行ってみたら?」とのこと。恐る恐る3階まで行き、「難民」と書かれたドアの前で待つこと1分、
強そうなオッチャンがやってきた。
勇気を振り絞って聞いてみたのだが、何も答えてくれず。
「イエメン人への対策は国の政策だ。何も教えることはできない!」
と、かなり強く言われてしまった。
それでも粘っていたら、
「オマエはなんなんだ、留置場へぶち込まれたいのか?」
と、怒鳴られてしまった・・・。
もしかしたら入り口で待っていたら、イエメン人の方が来るかも?
と思い、30分ほど待ってみたが何の気配もないので退散。
よし、作戦その2。
イエメン人の方がよく買い物に来るというスーパーの情報を聞いたので、
そこに行ってみたのがだ・・・なんと、新装開店に向けての工事中で閉店中!はい、終了。
作戦その3。
「市役所でも姿を見るよ」とのことで、市役所へ。
いつものように受付のおばちゃんに聞いてみたら、
「ここにはイエメン人は滅多にこないけど、イスラミックセンターというのがあるから、そこに行ってみたら?」
ということで、一路イスラミックセンターへ!もう動きまくり!
しかしここでも話ができず。
「彼らは難民だ。オマエみたいな一個人にプライベートな情報は教えられない。
分かっているのか?彼らは難民なんだぞ。」
と、ひどく叱られてしまった。
それはそうだ。いくら僕が勝手に真剣な気持ちでいたとしても、
突然現れた謎の外国人であることに変わりはない。全くもってそのとおりである。
そして最後は、日本の総領事館へ。ここで聞いた情報は貴重だった。
「日本の領事館としては、報道されているようなことと同様のことしか分からないです。
ただここ数か月、韓国でもイエメン人のことについては報道されていないんですよね。」
なるほど、そうなのか・・・。
色んな方と話している中で、済州島のイエメン人は、どうやらキリスト教系の団体が人道主義の観点で保護をしているようだ、というものだった。
その団体にも接触を試みたが、それも上手くいかなかった。
たくさんの情報が分かったからよいかなと思い、帰ろうとしたところで、なんと!
本当に偶然、イエメン人の方と出くわしたのだ!
ほんの一瞬だった。
思わず僕は「イエメンの方ですか?」と問いかけ、わずかではあるが話をすることができた。
「今は色んなことをお世話してもらいながら、平和に暮らしてるよ。」
「国の施策で守ってもらっているよ、詳しくは話せないけど…。」
「ここに来て7か月。まだ国に戻れる目処は立っていない。」
「日本人のこと?よく思ってるよ!日本のことは尊敬してるよ。」
「戦争はクレイジーだ、悲しみしかない。少しでも早く祖国が平和になることを祈っている。」
名前を聞くことすらできなかった。
でも彼らはとっても気さくに、僕の話に応じてくれた。
戦争というものは確かに今も存在し、そして難民とならざるを得ない方がいることも、
今新めて知らしめられた。
たまたま日本の周辺は、今のところは難民となるような状況にはなってこそいないが、
さてさて果たして、これからも今の日本のままで良いのだろうか。
トッポギとスンデを食べながら、一人屋台で世界平和について考えてみた・・・。
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