町おこし160:ジンギスカン
――『町おこしの賦』第5部:クレオパトラの鼻37
恭二は留美を、「おあしす」に案内した。レストランは満席だった。バルコニーをのぞくと、一つだけ席が空いていた。二人はそこに座った。
「恭二、さっきのたこが見える」
見上げるとたくさんのたこが、青空に浮いていた。肩を叩かれた。振り返ると猪熊勇太だった。
「帰っていたのか、久しぶり」
勇太の隣りには、ほっそりとした女性が立っていた。
「彼女はタイからの研修生。ミユちゃん」
女性はぺこりと頭を下げて、「こんにちは」といった。
「席を探してるんなら、ここで一緒にやらないか」
「サンキュウ。すごい賑わいだな」
勇太たちは、恭二たちのテーブルに腰を下ろした。
「彼女は留美さん」
恭二の紹介を受けて、留美は笑顔で頭を下げた。
「高校へ連れて行ったら、ミユちゃんは興奮してすごかった」
勇太はやさしい視線を、彼女に向けた。
「びっくりした」
ミユは抑揚の違う言葉で、驚きを語った。
「勇太、おれ軟式野球部に入った。肩はもう大丈夫みたいだ」
「それはよかった。おまえが投げているところを、また見たいものだ」
「勇太は中学時代、おれとバッテリーを組んでいたんだ」
恭二は、留美に説明をした。注文を取りにきたので、四人はビールとジンギスカンセットを注文した。
「恭二はね、おれの親友。シンユウって、わかる?」
「仲がいい、かな?」
「ものすごく仲がいい、友だちのこと」
勇太はゆっくりと、発音して説明する。ジンギスカンが、運ばれてきた。四人は紙製のエプロンをつけ、ビールで乾杯した。
鉄鍋が焼けてきた。恭二は立ち上がって、ラム肉を並べた。白煙が上がり、肉からジュッという音が出た。勇太は肉の上に、もやしやにんじんなどを乗せる。そして肉をつまんで、ミユの皿に入れた。
「おいしい」
ミユは、うれしそうにいった。肉汁で唇が光っていた。二人は結婚するかもしれない。恭二はまぶしそうに、視線をミユから勇太に移した。勇太の目は線になって、ミユを見ていた。
――『町おこしの賦』第5部:クレオパトラの鼻37
恭二は留美を、「おあしす」に案内した。レストランは満席だった。バルコニーをのぞくと、一つだけ席が空いていた。二人はそこに座った。
「恭二、さっきのたこが見える」
見上げるとたくさんのたこが、青空に浮いていた。肩を叩かれた。振り返ると猪熊勇太だった。
「帰っていたのか、久しぶり」
勇太の隣りには、ほっそりとした女性が立っていた。
「彼女はタイからの研修生。ミユちゃん」
女性はぺこりと頭を下げて、「こんにちは」といった。
「席を探してるんなら、ここで一緒にやらないか」
「サンキュウ。すごい賑わいだな」
勇太たちは、恭二たちのテーブルに腰を下ろした。
「彼女は留美さん」
恭二の紹介を受けて、留美は笑顔で頭を下げた。
「高校へ連れて行ったら、ミユちゃんは興奮してすごかった」
勇太はやさしい視線を、彼女に向けた。
「びっくりした」
ミユは抑揚の違う言葉で、驚きを語った。
「勇太、おれ軟式野球部に入った。肩はもう大丈夫みたいだ」
「それはよかった。おまえが投げているところを、また見たいものだ」
「勇太は中学時代、おれとバッテリーを組んでいたんだ」
恭二は、留美に説明をした。注文を取りにきたので、四人はビールとジンギスカンセットを注文した。
「恭二はね、おれの親友。シンユウって、わかる?」
「仲がいい、かな?」
「ものすごく仲がいい、友だちのこと」
勇太はゆっくりと、発音して説明する。ジンギスカンが、運ばれてきた。四人は紙製のエプロンをつけ、ビールで乾杯した。
鉄鍋が焼けてきた。恭二は立ち上がって、ラム肉を並べた。白煙が上がり、肉からジュッという音が出た。勇太は肉の上に、もやしやにんじんなどを乗せる。そして肉をつまんで、ミユの皿に入れた。
「おいしい」
ミユは、うれしそうにいった。肉汁で唇が光っていた。二人は結婚するかもしれない。恭二はまぶしそうに、視線をミユから勇太に移した。勇太の目は線になって、ミユを見ていた。









