山本藤光の「人間力」養成講座

著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の続編です。


町おこしの賦075:勝負の号

2018-04-01 | 小説「町おこしの賦」
町おこしの賦075:勝負の号
――『町おこしの賦』第3部:「おあしす」誕生3 

瀬口恭二はホワイトボードを元に戻し、一面の
記事の検討を始める。
「トップ記事を決めよう」
「やっぱり札所めぐりだよね。今年の開催は無理らしいけど、高校生のボランティアが必要だから、関心を高めなければならない」
 秋山可穂の意見に、詩織も「賛成」と応えた。
「では、これを一面トップにするとして、大見出しを考えて」
「標高生の提案に議会は動いた。シリーズで追っかけるべきだわ」
「それいいね。五段抜きくらいで、どうかな?」
「写真は生徒会長が、議場で話しているのを使おう。原稿は、可穂ちゃんが担当でいいね」
「サイド記事として、札所に名乗りをあげてくれたお店や施設の紹介も必要だわ」
「うん、その原稿は詩織と野口京子さんで取材してもらいたい」

 すべての原稿の、担当を決めた。新入部員も即戦力として、それぞれが記事を書かなければならない。恭二は、自分の初原稿のことを思い出している。恭二の書いた原稿は、跡形もなく赤字で染まっていたのだ。
二年生が三人と新人が十九人。恭二は赤ペンを入れている、自分の姿を想像している。

「これから、割りつけを教えます。新聞の見出しで避けなければならないのは、ハラキリという状態です」
 恭二はホワイトボードに長方形を描き、上下の真ん中に横線を引いた。「日」という字になった。
「この真ん中の線の状態を、ハラキリといいます。こうしてはいけないので、見出しをジグザグに入れて、罫線が端から端までつながらないようにするわけです」
 可穂は壁に貼ってある割りつけ用紙に、ラフな見出しを入れてみせる。
「この部分が、記事になります。明日までに割りつけを完了させます。みなさんが何文字で、原稿を書かなければならないのか。明日お知らせします」 

 新入部員に解散を命じ、恭二たち三人は本格的な割りつけ作業をした。新しい新聞部は、ちぐはぐなバランスで動き出したのである。
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