兵庫県の斎藤元彦知事の疑惑が文書で告発された問題で、斎藤氏は26日午後3時過ぎから県庁で記者会見を開き、「県政にとって重い判断で大変思い悩んできた」と述べた上で、県議会は解散せずに30日付で自動失職した上で出直し選挙に立候補する意向を正式に表明した。
県議会では9月定例会開会初日の19日、全議員が斎藤氏に対する不信任決議に賛成し可決。不信任可決後、知事は10日以内に議会を解散しなければ失職する。
斎藤氏はこれまで、パワーハラスメントなど指摘されている疑惑に関して自身の対応は「適切だった」と主張。自らの「正当性」を出直し選で問う戦略を取ることにしたとみられる。10月24日告示、11月10日投開票の可能性が取り沙汰されている。
告発文書を巡っては、県議会は51年ぶりに調査特別委員会(百条委員会)を設置。斎藤氏のパワハラ疑惑とともに、告発者を公益通報の保護対象とせず処分した経緯などを検証している。2度にわたる証人尋問を経て、9月定例会初日の19日には、3年前の知事選で斎藤氏を推薦した自民党や日本維新の会を含む県議会全86議員が不信任決議に賛成する事態に発展していた。
斎藤氏は神戸市生まれ。東大卒業後の平成14年に総務省に入り、財政課長として大阪府に出向していた令和3年、知事選に立候補。自民と維新推薦を受け、5期20年にわたる井戸敏三県政からの刷新を掲げ初当選した。現在1期目で任期は来年7月。
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