思考停止が招く電力危機、原発「国策民営」の限界

2018年06月18日 11時23分41秒 | Weblog

日本のエネルギー政策が滞っている。原子力、再生可能エネルギー、火力とそれぞれが大きな課題に直面しているが、政府は近く閣議決定するエネルギー基本計画でも十分な具体案を打ち出せない。迫る電力危機を回避するため、いま日本がとるべき選択肢を探る、5月16日、経済産業省の審議会。日本のエネルギーの将来像を決める場のはずなのに、事務方は「日本にとって重要な電源」と公言してきた原子力で踏み込んだ議論を避けた  コマツの坂根正弘相談役や福井県の西川一誠知事など委員から相次ぎ批判の声が上がったが、結局、経産省が基本計画案に盛り込んだ「最適な電源構成」の原発比率は2030年に20~22%。2015年に決めた前回の数値のままだった しかも原発には寿命がある。運転期間は原則40年で、最長でも60年で廃炉にする必要がある。仮に今あるすべてが60年を認められたとしても、50年末には18基、70年までにゼロになる見通しだ 「原発を活用し続けるなら新設や建て替えが欠かせない」(東京理科大の橘川武郎教授)のは明らかだが経産省は新増設に関する言及を避けた 同省は基本計画の策定に向け首相官邸と擦り合わせた。「安倍政権はエネルギー問題でリスクをとるつもりはない」(政府関係者)。官邸の意向をくみ取り、原発を争点にするのは避ける方が賢明という過度な配慮が働いたとの見方もある エネルギーミックスでは再生可能エネルギーを全体の22~24%、石炭や天然ガスなどによる火力は56%とする目標値も据え置いた。原発で20~22%を達成できなければエネルギー供給が不安定になるが、そうしたリスクへの言及もない  原発の本格的な再稼働が困難な状況に加え、地球温暖化対策で日本が責任を果たすためにも、もっと再エネを伸ばし火力を縮小すべきだとの指摘がある。経産省も再エネを「主力電源化する」としたが、その覚悟を示すほどの具体案は乏しい

                                                                                                         日本経済新聞

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