沖縄県の米海兵隊北部訓練場(東村、国頭村)の半分以上の面積が返還されてから22日で1年半となる。昭和47年に沖縄県が本土復帰して以降最大規模の返還だ。弾薬除去や土壌除染を行った上で地権者に正式返還されてから間もなく半年。かつて現場周辺に集まった活動家の姿はほとんどなく、かつての喧噪(けんそう)は嘘のようだった、返還されたのは北部訓練場の7543ヘクタールのうち4010ヘクタール。政府は沖縄の負担軽減の目玉と位置づけている。今年2月には絶滅危惧種のヤンバルホオヒゲコウモリが見つかり、7月に訓練場跡地を国立公園に編入する方針だ。世界自然遺産の候補地にもなっている
反対派が設置した高江地区のテントには当番制で2人が陣取っているという。台風6号が接近した今月16日はテントが撤去され、誰もいなかった。政府関係者によると、活動家は正門ゲート前でときおり米軍車両を妨害しているが、組織的な動きはないという
高江地区には今年に入り、1歳の子供を持つ家族が新たに移り住んできた。今も高江地区に残る住民は「ヘリはうるさいが、活動家がいなくなって元の静寂が戻った」と話す。活動家は工事車両を阻止するため車で道路をふさぎ、地元住民の検問も行っていたからだ
仲嶺区長のもとには今もヘリ騒音に関する苦情が寄せられる。だが、かつて相次いだ活動家に対する苦情はなくなったという 産経新聞(杉本康士)