本朝徒然噺

「和」なモノについて気ままに語ります ※当ブログに掲載の記事や画像の無断転載はご遠慮ください

秀山祭九月大歌舞伎(昼の部)へ(9/9)

2007年09月09日 | キモノでお出かけ
<お出かけ先>歌舞伎座(秀山祭九月大歌舞伎・昼の部)
<着物>本塩沢の単衣
<帯>白地に秋草柄の絽塩瀬
<帯揚げ>緑色に桔梗柄飛び絞りの絽ちりめん
<帯締め>若草色の三分紐
<帯留め・根付>七宝焼の蝶

歌舞伎座へ行ってきました。
今月の歌舞伎座の興行は、昨年に引き続き、初代中村吉右衛門丈を偲ぶ「秀山祭」です(「秀山」は、初代吉右衛門丈の俳名です)。

初代播磨屋を偲ぶ興行ですから、ちなみモノはやっぱり播磨屋さんに関係あるものにしたい!
というわけで、播磨屋さんの紋にちなんで蝶々の帯留め&根付にしました。

蝶々の帯留め&根付

萬屋さんの時も使ってたじゃないか……というツッコミはナシでお願いします(笑)。
芝居のたびに何か買うわけにはいかないので、使い回しのきくものは使い回さないと……
それに今月の芝居は、萬屋さん(中村歌六丈、中村歌昇丈)も出演されていますから、一石二鳥ということで(笑)。

あとは、坂東玉三郎丈&中村福助丈が踊る「二人汐汲」にも(無理矢理)ちなんで、網の扇子を持って行きました。
浜辺の風景には「網干」がつきものということで……(「二人汐汲」の衣装にも網干の柄があしらわれてました)。

網柄の扇子

重陽の節供でしたが、菊の柄はなにも取り入れていません
もっとも、新暦の9月9日では、菊が咲くにはちょいと早いですけれども……。
つくづく、お節供は旧暦にあわせた日付で設定したほうがいいのになあ……と思います。桃の花が咲いていない時期の桃の節供とか、菊の花が咲いてない時期の菊の節供って、変な感じですよね……。


今の時期は、残暑が厳しい日もあれば涼しい日もあるので、キモノをどうするかは毎回悩みの種です

9月も10日を数えようとしているので長着は単衣にするにしても、問題は帯。
9月前半なので、暑ければ絽塩瀬、涼しければ単にしようと決めていたのですが、気温は当日起きてみないとわかりません。
帯が決まらないと半衿も決められないので、なかなか面倒です……

無精者のワタクシは、絽の半衿は洗える素材のものにして、夏用の半襦袢に付けたままジャブジャブ洗っています
帯を絽塩瀬にするなら、その半襦袢を使えばよいので事前準備は不要ですが、単の帯にする場合は別の半衿をつけねばならず……。
朝起きてから半衿をつけたのでは間に合わないので(朝に針を持ってはいけないともいわれますし……)、前の晩にラグビーワールドカップを見ながら楊柳の半衿をチクチク縫い付けました。もっとも、「手抜き縫い」なのでたいした手間でもないのですが……(笑)。

そして当日。
曇りの予報が出ていたのに、朝から晴れて、見るからに暑そうな日差し(だから天気予報は当てになりません……)。
なので、絽塩瀬の帯を締めていくことにしました。
初秋向きの柄の絽塩瀬は、秋草(女郎花と萩)の帯とトンボの帯を持っているのですが、トンボの帯だと帯留めの蝶々とケンカしてしまいそうだったので、秋草のほうにしました。

帯にあわせて半衿も絽にし、夜中にチクチク縫った楊柳の半衿は出番ナシと相成りました……。
でも、来週以降のお出かけの際にそのまま使えるので、良しとしましょう

歌舞伎座に着いてみると、客席の装いはさまざまでした。
単衣の着物&単の帯(綴れの帯を締めておられる方が目立ちました)、単衣の着物&絽塩瀬の帯(某役者さんの奥様が、涼しげなお色の単衣に白地の絽塩瀬を締めておられて、とても素敵でした)、絽ちりめんの着物&絽袋帯、透け感の少ない夏紬&博多帯など。
ある程度基本はおさえておいたうえで、その日の天気や体感温度にあわせて「臨機応変」がスマートなのかもしれませんね。
「臨機応変」便利でイイ言葉だ……(笑)。

ちなみに“老舗”着物雑誌では、単衣の着物にあわせる帯について次のように書かれていますので、ご参考までに

絽、紗など、基本的には透ける素材の夏帯を。(中略)紗や紗紬は、透け具合で時期を判断します。透け方の弱いものがひとえ向き。透け感が強いものは盛夏に(「美しいキモノ」2007年夏号348ページ)

9月 絽、紗の袋帯 絽綴、絽の染め帯 後半は袷・単衣兼用帯(「家庭画報特選きものサロン」2007年夏号128ページ)

観劇日記は、後日アップします

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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (やっぴー)
2007-09-11 09:07:38
チョウチョの小物がカワイイ~
ホント、この時期って着るものに困ります。
私なんてコレというの持ってないし…
(来年までには絽塩瀬(?)の帯、用意しようかなあ)
来週、昼の部を観に行きます。
3階だからお気楽目に行こうかなあと
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Unknown (ichigo)
2007-09-11 20:09:36
ご無沙汰しております。ichigoです。

やっぴー様の仰るように蝶々の小物がカワイイですね
お茶でのキモノが多い私は帯留をほとんど使わないのです…。紬の時使えば良いのでしょうが。
キモノと帯、小物、ステキですね~。
本塩沢もあこがれます。

節句、藤娘様もそう思われますよね。
私も常々旧暦にあわせれば良いのに、と思っております。
茶の湯では季節を旧暦で考えますが、意外と勘違いしておられる方が多いのですヨ。師匠もよく仰ってます。。。
そんなことを思う私ですが、
昨年、菊の絽塩瀬を求めたのですよー
と言っても秋草の中に菊が描かれているものなんですが…
9日に使いました。また、見てやってくださいませ。
気温の変化が目まぐるしい季節です、ご自愛くださいませ。
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悩む9月 (kazura)
2007-09-11 23:51:12
藤娘さま
この時期は、本当に着るモノに悩みます。。。
また教えていただきたいのですが

単衣の時期は6月も9月も、帯と小物から徐々に季節を先取りしていけばよい、と認識しておりました。

私のこれまでの認識では、着物と帯の関係は、
6月後半は、単衣の着物に、夏帯
9月初めは、着物は薄物、帯は季節先取りで単帯←この取り合わせは、オカシイですか?

考えてみますと、絽や紗の着物に単の帯は、合わないように思いまして。。。

6月も9月も同じように、単衣着物に夏帯が、正解?なのでしょうか?



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やっぴーさま (藤娘)
2007-09-12 06:16:44
ありがとうございます

絽塩瀬は、帯芯が入り透け感もほとんどないので、6月後半や9月前半の単衣にあわせるのには結構便利かもしれません

来週ご観劇なのですね~!
ぜひぜひ楽しんでらしてくださいまし

来週でしたら普通の塩瀬や紬の帯でも全然違和感ないと思いますし、おっしゃるとおり、細かな決まり事は気にせず気楽に装うのがイチバンだと思います!


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ichigoさま (藤娘)
2007-09-12 06:39:23
ありがとうございます

お節句の件、ichigoさまも同じお考えと聞いてとても嬉しく、心強いです
特に七夕なんて、新暦ですと梅雨の真っ只中で、天の川どころじゃなくなってしまいますものね……

菊の柄の絽塩瀬、素敵ですね!
これから見ごろを迎える京都の秋明菊や貴船菊を思い浮かべて、うっとりしてしまいます
秋草と共に咲く菊をうまく重陽のお節句に取り入れておられて、さすがichigoさま!
地色と柄の優しい雰囲気もすごく素敵ですね
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kazuraさま (藤娘)
2007-09-12 07:06:34
コメントありがとうございます
この時期は、暑かったり涼しかったりで、着物ばかりでなく洋服の時も、着る物に悩みますよね……。

私は、人に物を教えられるほどエラくないので(笑)、あくまでも私の考えとして、ご参考までに書かせていただきますね。

洋服の場合も同じだと思うのですが、「涼しければ秋物を着てしまえばいいけれど、暑い日はそうもいかない、でもまるっきり夏物ではちょっと……」ということで悩むのではないかと思うんです。

その悩みを解決するために「完全な夏物でも秋物でもない状態にする」という知恵から生まれてきたのが、今の時期の着物の取り合わせなのだと思います。
そうすると、帯だけ夏物にするケース、逆に着物だけ夏物にするケースの両方があってよいのではないかと思います。

問題は「バランス」だと思うので、ある程度生地の厚さがあるものとスケスケのものとを組み合わせるのは避けたほうがよいと思います。
これは帯を夏物にする場合でも同じだと思います(たとえば、単衣の着物に羅の帯ではバランス悪いですよね)。
例えば、紗の着物に綴れの帯では、明らかに見た目のバランスが悪いと思いますし。
逆に、絽ちりめんや変わり絽などあまり透け感のない着物に博多の帯であれば、バランスは悪くないのではないかと。
(個人的には、紗の着物は盛夏のみにしておくほうがよいと思います。紗袷をのぞいて)

「見た目のバランス」さえとれていれば、いろんな組み合わせがあってよいと思いますよ。
「老舗着物雑誌」だって、見解がわかれているくらいですから(笑)。

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ありがとうございました! (kazura)
2007-09-12 21:51:37
藤娘さま
>帯だけ夏物にするケース、逆に着物だけ夏物にする
>ケースの両方があってよいのではないかと思います。

そこを伺って、安心いたしました
センス・バランスと言うあたり、全く自信が持てないのです。。。
全部決めてくれている方が楽、しかしソレでは面白くないですね。

本や雑誌でも見解が分かれるようなグレーゾーンは、特に悩ましいですが、そんな時いつも藤娘さまを頼りにしてしまいます

ありがとうございました!
今後ともどうぞよろしくお願いいたします
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いつでも (agma)
2007-09-12 22:30:48
私もいつも藤娘さんを頼りにしている一人です。

単衣の定義、助かりますー。
難しいのは5月の先取り単衣と9月下旬の単衣。

先日の道明での「帯締めに夏物などはない」というのも 色とバランスのことですものね。

私の単衣の手持ちが少ないのも悩む原因のような気がします。(言い訳
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kazuraさま (藤娘)
2007-09-13 23:58:52
こちらこそ、ありがとうございます
私の拙い考えですが、少しでもお役に立てれば嬉しいです

仕事の場面などでもそうですが、ノウハウの共有のために集積されたことが、いつの間にか「ルール」にすりかわって独り歩きしてしまっていることがあります。

現代の「着物のルール」が、まさにそれなんじゃないかな、と思うのです。
「こうすると便利だよ」「こういう組み合わせもあるよ」というのが、いつの間にか「こうしないといけない」と勘違いされてしまったのではないかな……と。
昔の人は、それこそ現代人が洋服のコーディネートを考えるのと同じように、ある程度自由に組み合わせを考えていたんじゃないかな……と思ったりします。

なので、気にせずデーンと構えてらっしゃって良いと思いますよ
あくまでも「着るもん」ですから、快適に楽しく着るのがイチバンですよね
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agmaさま (藤娘)
2007-09-14 02:19:47
コメントありがとうございます!

まだまだわからないことだらけの私ですが、こんな私でも少しでもお役に立てれば、とても光栄です
私も単衣の手持ちは少ないのですが、帯や小物の組み合わせを変えてごまかしております(笑)。

9月後半に入ったら、単衣の帯か普通の塩瀬の帯にスライドしようと思っているのですが、9月前半は天候も不順で本当に悩みます……
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