ベトナムの子どもたちに奨学金を――FUJI教育基金

ベトナム南部・北部の中学・高校生、大学生に奨学金を贈って勉学の支援をしています。

FUJI教育基金・奨学金授与の旅2008年:中学生との交流会

2008-11-09 | CB(チャット・ビン)中学校
2008年10月5日 [チャットビン中学校の生徒たちとの交流会]


 翌5日は日曜日で、生徒たちは休日。生徒たちと交流の遠足をしました。
 前回訪問(2006年)時、車に乗ったことのない子供たちが車酔いをしてしまったので、今回は藤村さんが酔い止めを日本で用意しました。4日の授与式のあと、招待した生徒たちに、「翌朝飲んでくるように」と言って、配っておきました。
 一行は、生徒たち20人、先生6人、それに訪問団。
 ホテル前で生徒たちと合流。2台のマイクロバスに、訪問団と生徒たちが入り混じって乗車。


 車内ではもどかしい思いで、身振り手振りでカバーしながら、ブロークン英語の自己紹介……。自分の語学力のなさに、今さらながら悲しむ! 生徒の中には。結構、流暢に英会話のできる子もいて、こちらがタジタジ!
 岩田さんが準備してくださったゲーム等で、楽しく交流しながらタムコックを目指しました。

[タムコック(Tam Coc)]
 タムコックは、石灰岩の切り立った岩山と川が織りなす水墨画的な風景として有名なところで、「陸のハムロン湾」あるいは「ベトナムの陸の桂林」との別名もあります。岩山の洞窟を、水路をたどって舟で周遊できます。ちなみに「タムコック」とは、3つの洞窟という意味です。
 舟遊びが始まるやいなや、1羽の小鳥が目の前をスーと飛んでいく。おや?カワセミでは。イヤー幸先が良い!(帰国して調べたら、インドシナはカワセミの生息地でした)。



 途中、見上げると、岩山の上部に白く動く物が。船頭さんが指さしながら、「コンゼー、コンゼー!」と声をあげています。野生のヤギだったようです。
 今にも頭がぶっつかりそうな真っ暗な洞窟を3カ所くぐり抜ける。スリル満点。生徒たちも、楽しそう。私は、ハロン湾よりこちらが好きになりました。


 ただ、ここでは外国人の乗る舟が決められていて、私たちは子供たちと一緒の舟に乗れませんでした。後で考えたのですが、外国人にものを売りつけたり、外国人からチップをたくさん貰ったりするためではないかと思うのです。子供たちと一緒にいたかったのに、残念でした。

[ヤギ料理の昼食]
 舟から降りて、昼食。初めて食べるヤギ料理でした。生徒たちは皆おとなしく、こちらが料理をよそってあげるまで、手をつけません。2006年のときの生徒たちは、どんどん私たちに料理をすすめ、御飯をよそってくれ、おかずも、まず私たちにとってくれてから、自分たちも食べていたのですが、遠慮が強かったのか、まだ私たちに打ち解けておらず、恥ずかしかったのでしょうか。
 昼食が終わってからは、私たちが持っていったおやつを一緒に食べたり、折り紙やパズルで一緒に遊び、それはマイクロバスに乗っても続きました。

[ビックドン寺(Chua Bich Dong)]
 タムコックからちょっと離れたさらに奥、山のふもとにあるビックドン寺へマイクロバスで移動。



 15世紀に創建され、18世紀に修復された、歴史のあるお寺です。
 山のふもとから、山頂まで、3層にお寺があり、中腹の「中寺」は洞窟の中にありました。それぞれの層にある寺は階段でつながれていました。

[バイディン寺(Chua Bai Dinh)]
 その後、2010年落成をめざして建設中の大規模なお寺で、ベトナム最大のお寺になるバイディン寺を見学。
 鋪装していない道の両側には、瓦や建築資材が積み上げられ、たくさんの等身大の菩薩や羅漢の像が並んでいたり、作りかけの池があったり、大きな鐘がおいてあったりして、なんとも面白い。


 足下が危険で、また、あまりにも広くて、歩くのが大変です。しかし、校長先生の指示で、私たち1人に生徒が2人くらいついて、バックを持ったり手をつないでして、助けてくれました。
 初めの大きな建物には、奈良の大仏くらいの大きな仏様が安置されていました。


 見学のあいだじゅう、2人の中学生が、向野さんと手をつないで一緒に歩いていました。坂道では、向野さんの両腕を抱えて持ち上げ、最後まで、本当に、優しい思いやりのある姿を見せられ、それが、微笑ましくも頼もしく思えました。
 次に来る2年後には、このお寺はできているでしょうねと、みんなで言い合いました。

 見学を終え、マイクロバスでホテルへ戻り、藤村さんが昨夜遅くまでかかって携帯プリンタで打ち出した生徒たちの写真を、それぞれ1人ずつに手渡し、交流は終わりました。