北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「捨てる記憶術~偏差値29でも東大に合格できた(杉山奈津子著・青春新書2016刊)」を読んだ。杉山奈津子(すぎやまなつこ1982生れ)女史は、東大(薬学部)卒で、厚労省系医療財団を経て、作家、イラストレーター、心理カウンセラーとして活動している。高校は静岡雙葉高校の藝術コースにいて、3年生になってから、東大を目指したそうである。1浪ではあるが大したものである。独学で勉強し、浪人中も予備校には通っていないのだから、相当に地頭の良い人ではあるのだろう。--------
「捨てる記憶術」は、杉山奈津子女史の著作の中での類書である“偏差値29からの東大合格(中央公論新社2011刊)”と似通っているのだろうが、受験勉強でも資格取得の学習でも如何に多くの事柄を記憶するかに掛かって来るのだから、“効率を旨とし、的を絞りこんで不要なもの捨てる必要があるのだ”と逆説的に説いている。-------
数学でも物理でも暗記で受験はこなせるというのである。“過去問に当たるのは、最後ではなくて最初から取り組め”とか、“参考書ではなくて問題集で勉強すれば良い”とか、成程と感心させる事柄が満載されている。平易な説明であり、小難しい論理ではないので、女性特有の具体的な文章構成で書かれており、疑問点なく読み通せるのだが、読んだからと言って誰もが東大に合格する訳でないことは、当たり前だと思えるように、巻末に卓球の福原愛選手の“天才は努力の賜”との言葉を上げている。