奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その625)

2018-05-11 08:15:00 | 奈良・不比等
「正しい本の読み方(橋爪大三郎著・講談社現代新書2017刊)」を読んだ。橋爪大三郎(はしづめだいさぶろう1948生れ)氏は、東大大学院(社会学研究科)博士課程単位取得後、東工大に務め、現在は東工大名誉教授である。社会学者であり、執筆活動を続けて居られる。-----
「正しい本の読み方」では、冒頭に“本は頭の栄養です”などと、一般読者に分かり易い例えを豊富に列挙して“本読み作法”を教えてくれている。------
本は他人が書いたものであり自分とは考えの異なる人物の知恵が詰まっており、その本を読むことによって自家薬籠中の物とすることが出来るのであると云っている。自分の頭の中に智恵のある客人を住まわせるようなものであり、困った時にはその客人に相談できることになる。様々な分野の客人と云うか友人を頭の中に増やしていけば、人生は頗(すこぶ)る楽しくなるでしょうとも書いている。直ぐに役立つのではなくてそのような友人を頭の中に囲っておけば何か困った時に直ぐに対策会議が開けると云うものである。------
嫌いな著者の本でも役立つのであれば感情的にならずに読んでおけばよいと云う。自分に無いものがきっとその嫌いな人の知恵にある筈だからと云っている。-----
橋爪大三郎氏は元々は数学に興味があったようであり、現在の哲学が科学哲学化している事も良くご存じであり、クラシックな哲学者の事も一刀両断して呉れている。“へーゲル(1770~1831)の弁証法は論理的に破綻している”とかはとても面白いと思った。-----
日本人はヘーゲルの影響を受けて勝算のない矛盾に満ちた大陸進出と太平洋戦争へと踏み出してしまったのではないかとも書いている。観念論では話にならない、精神論と変わらず無力そのものであるのだから。
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