奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1024)

2019-06-14 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「もうすぐやってくる尊皇攘夷思想のために(加藤典洋著・幻戯書房2017刊)」を読んだ。加藤典洋(かとうのりひろ1948~2019)氏は、東大(仏文科)卒で、早稲田大学名誉教授、文芸評論家である。“敗戦後論”、“戦後的思考”、“戦後入門”、“敗者の想像力”など一貫して、戦後日本の辿って来た思想・文藝・哲学など広く世間を見渡して批評家として活躍してきた。-----

「もうすぐやってくる尊皇攘夷思想のために」は、日本の思想的な位置づけを解明するには、過去300年位遡らないと、像を結ぶことが出来ないと書いているのだ。だから幕末の尊皇攘夷の時代(1850年代)から大戦に突入する時代(1930年代)、そして21世紀になっての日本の後退期(2010年代)がそれぞれに80年の期間を挟んでその大きな転換点となっていると述べている。この中で、一番大切なことは、どうして尊皇攘夷思想が消えてしまったのかということであると言う。なぜ大切かというと、江戸の幕藩体制を革命的に変えたのは尊皇攘夷思想であったのだから、明治に四民平等となったことを当然として受け止めるのではなくて、尊皇攘夷思想の革命のエネルギーが日本のどこかに在り続けているとも考えられる処を、真面目に探らないと、戦後の日本社会のように、浮草人生になって仕舞うのであると、忠告しているのだ。だからと言って加藤典洋氏が、その答えを見いだせた訳でもなくて、後進の人達にそれを追い掛けて納得できるように努力せよとのエールを遺言のように種々書き記しているのである。知の巨人の一人の著作として、「もうすぐやってくる尊皇攘夷思想のために」は、隠れた名著として読み継がれるだろうと思った。

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