風雅堂便り

碁会所より愛をこめて

2009-09-28 17:02:09 | その他
 秋刀魚の美味い季節

 寿司なんかもありますが

 やっぱり定番

 塩焼きが美味い

 大根おろしにカボスを絞って

 醤油を垂らしていただきます


 ところが、最近ちょっと気になる事が・・・

 はらわたを抜いて売ってることがあるのにビックリ

 もちろん食べやすいのでしょうが・・・

 ワタごと焼いたほうが美味しい気がします

 たぶん

 気のせいかな?





読書

 本を読むのは大好きですが

 書評は苦手

 真保裕一『発火点』読了。

 12歳の夏に父親を殺された主人公の、少年時代から大人になるまでを描いた佳作。
 ぶ厚いので半分くらい読んであとは明日にしようと思ってたんですが、結局一気に最後まで読んでしまった。

 舞台はある田舎の漁村。
 子供たちが見つけた自殺未遂の男は、じつは主人公の父の旧友で、退院したのち彼はなりゆきで主人公の家にしばらく厄介になることに。両親の仲がぎくしゃくしていること、そして自分がすでに父をまっすぐ愛せなくなっていることに気付いている主人公は、その男をむしろ歓迎するのだが――。

 なぜ父は旧友に殺されなければならなかったのか。父はいったい彼に何を言い、何をしたのか。なぜ彼は父を殺したのか。
 12歳の彼にはほとんど何も知らされず、ただ「父親を殺された子供」というレッテルが貼られることになります。
 周囲の目と息苦しさに耐えられず主人公は故郷を出ますが、そこでも過去は否が応にもついてまわる。
 しかし「父の旧友」が刑期を終えて出所してきたことを知らされ、主人公はようやく「あの日の事件」を見つめなおす決心をする……というのが主なストーリー。

 大きな仕掛けはないのですが、小説巧者の腕でとにかく先へ先へとぐいぐい読まされます。
 この長さにしては大した真相ではない気もしますが、人物描写が緻密なせいか説得力は有り。

 読み終えてみると、殺人者である「彼」はあんまり大した人物じゃなく、むしろ殺された主人公の父の方が面白いです。「顔がいいだけのでくのぼう」としての人生をまっとうしたというか、二重三重に鬱屈しているにも関わらず、何ひとつ(まともには)成し得なかった男として、描かれきっていると思います。