語彙の豊富なシンガー/ソングライターで作詞作曲家のエガワヒロシ君(少し下の世代でサニーデイ曽我部君やゴメス山田君、高橋徹也君らと同じくらい)がとても素敵な「almost green」のアルバムレヴューを書いてくれました。そろそろCD到着の方が増えてくると思うので、是非ライナーノーツとして読んでいただきたい。
「almost green」
綿内克幸さんから新作「almost green」が届いた。ムーンライダースの鈴木兄弟のレーベル、メトロトロン・レコード出身であり、サロンミュージックやコレクターズ、カーネーションらとのレコーディングやライブ、スクィーズやミスチルの前座など、音楽マニアの心をくすぐる要素しかない先輩シンガーソングライターが（見出したのはフリクションのツネマツマサトシ！）これだけのフレッシュな音を届けてくれた事にまずびっくりした。
音楽を続けていくと渋味や重みのようなものに向かっていく人が多い。綿内さんも骨太な男汁溢れるソウルミュージックで、重みのある音楽に焦点が当たる期間があった。
しかしこの新作はデビュー当時のような軽やかな空気を感じる。エバーグリーンという言葉が思い浮かぶような爽やかなメロディー。音も軽快なサウンドで、元コレクターズのリズム隊、阿部さんと小里さんが良い仕事してる。ギター青木さん、鍵盤の川嶋さん含め、コステロのバンド、アトラクションズみたいに感じる瞬間も。
でもデビュー当時とは何かが違う。言葉には経験から来る苦味があり、声は渋みを増した。このブレンド具合がちょうど良い。これこそ綿内克幸の音楽を求めて来たファンは勿論、沢山のリスナーが求めているものじゃないかな。大人のジェントルなロックンロールとはこういうものだと思う。
勿論今回も生粋の音楽マニアである綿内さんの真骨頂、心くすぐるサウンドが展開される。tuxedoを思わせるようなブギーサウンド、フィン・ブラザーズのような構成美、逆にディランを感じさせるラフなアコースティックサウンド、ライアン・アダムス(ブライアンではなく)のような大陸的なロックンロール。そしてリチャード・アシュクロフトのような祝祭感。どれも音楽マニアならニヤリとするでしょう。音楽好きが語らい合うのにピッタリなアルバム。
この作品を聴いて、音楽に生きる綿内さんの凄みを感じた。俺にはこれしかないんだ、という言葉を何度か聞いた事がある。音楽に生きるというのは生半可な事ではない。それを貫く事の難しさ。でも綿内さんはここにいる。ベテランシンガーソングライターの新たな一歩を僕は祝福したい。
エガワヒロシ
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【綿内克幸ニューアルバム『almost green』2020.04.04 out ～CD購入&配信に関してのお知らせ】
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綿内克幸 『almost green』
M01 ハミングバード
M02 ジェルソミーナ！
M03 FLOWERS IN THE SUN 〜 風がはこぶ詩
M04 MONDAY MONDAY
M05 Riverboat
M06 ソレイユ
M07 真昼の月
M08 ラストダンス
M09 CHAMPAGNE LIGHTS / DOWNTOWN LIFE
M10 カントリーロード
綿内克幸 (Vo / Ag)
青木孝明 (G)
小里誠 (B)
阿部耕作 (Dr)
川嶋フトシ (Produce / Key)
ゲスト 西村哲也 (Pedal Steel)
『綿内克幸 almost green tour 2020』
順延日程決定！
11/14 大阪雲州堂
11/15 名古屋パラダイスカフェ
11/28 東京グレープフルーツムーン
詳細は改めて
