日々の感想文

何かしら見たものに対する、私の主観に基づく意見が書いてあります。

現場ノウハウの重要さ

2005-03-22 09:51:34 | 社会全般
クラウン初の国外生産開始 トヨタが中国天津で (共同通信) - goo ニュース
まったく大変なことをしてくれたもんです。

無論、日本にとって(というよりも世界の自動車会社にとって)マイナスなことです。
高級車の製造ノウハウを与えたということは、計り知れないマイナスだ。

今の中国の技術があれば、クラウンの「外観」はいくらでもコピーできる。
だが、その「品質」はコピーできなかった。それは、製造ノウハウがブラックボックスとして機能していたからだ。

今までの日本企業は、安易に製造ノウハウを与え、それが中国中に伝播し、
あちこちから品質面で日本企業のライバルとなりうる製品が出てきた。
そして、中国製品が世界を席捲し始め、日本企業は苦境に追い込まれた。

これはあくまでも家電業界の話である。だが、自動車も好き好んで同じ道を歩む必要はない。
日本企業は製造ノウハウの重要さに気が付いていない。甘い。徹底的に甘い。

海外の企業は、製造ノウハウ的には旧世代のもののみ供与している。
また、将来技術発展により自分たちの得意分野を犯す可能性があるものは与えていない。
更に、先端製造技術はブラックボックス化し、設備回収点検は本国からのスタッフのみが実施している。

これから、ハイブリッドのプリウスも中国で生産されると聞く。トヨタにしてみれば旧世代の生産技術なのかも知れない。
だが、他社にしてみれば未だ最先端の技術だったりする。他社にしてみれば、自社を超える技術の国外流出だ。

トヨタの都合だけで動く、三河モンロー主義が再度台頭してきたということか。