frou*frou

未確認飛行SHO年記

ブラック・スワン

2011-08-17 | CINEMA
ナタリー・ポートマンと聞いて思い出すのは『レオン』での少女役マチルダです。
殺し屋レオン(ジャン・レノ)の格好良さ、マチルダ(ナタリー)のピュアな愛情、リュック・ベッソン初のハリウッドでのアクション映画ということでとても新鮮でした(@DVD) オススメ
悪徳刑事役(ゲイリー・オールドマン)も素敵だったし←結局おっさん好き(w

それから数年
いかにもリュック好みの(コラッw 少女が、この映画ではすっかり大人の女優になっていました。
かなり役者冥利につきる役ですが、主人公のニナがバレエダンサーに見えないと(編集とかでごまかしているだけだと)かなり白けた内容になったと思います。

それを周知のナタリーは毎日5時間を越える特訓による肉体改造で役作りをし、どこから見てもプロの繊細なダンサーの心情をも演じきっていました。

ストーリー自体は分かり易く、年長のプリマが引退勧告を受けることによって、次のプリマを抜擢されたニナ、しかし元々ナイーヴな性格だった為にそのプレッシャーと黒鳥になりきれない焦燥感、耐え難い苦悩と孤独に押し潰されそうになりやがては‥。
芸術監督のルロワの期待に応える大胆で奔放なリリーの存在。
リリーに誘われた店で酒とドラッグに手を出し、現実と妄想の境目さえあやふやになって来ます。

白鳥は文句無しに踊れるのに、一人二役の黒鳥だけは表現も踊りにも妖艶さが欠ける。
追い詰められ、心神喪失となりながらも純真な白鳥は暗黒の黒鳥に変貌し、本番を迎えたとき現れたのは・・

プリマと舞台監督との関係は少々ベタだな~と思いつつも、以前から強迫性障害らしかったこと、プリマになれなかった母親の期待と嫉妬、年齢的にもこれが最後である現実に悩むダンサーのその苦悩がいつしか痛々しいものから、少しずつ精神のバランスを崩していく様へと変化していきます。
ストレッチのシーン1つを見てもぬかりの無い感じは流石でした。
舞踏を突き詰めたときの苦悩、その深さや恐ろしさが自らの皮膚を引っ掻く自傷行為やニナの変貌によって体現されています。
そしてその掻き毟った皮膚から生える黒い羽根
ある舞踏家が天才と言われながらも心を病んでしまった話を何かで読んだことがあるのですが、それを思い出しました。極めるって怖いな。

ライバル役のリリーが可愛かった~。でも奔放さが光ったのはナタリー演じるニナの線の細さや揺れる表情の巧さのお陰ですよね。
ダンサーなのにあのタトゥーはいいんですかね?w
そうそうウィノラ・ライダー(解雇されるプリマ役)を久しぶりに見ました。

監督は『レスラー』のダーレン・アロノフスキー。
↑は八百長レスラーを描いた秀作。これも要チェックです。


公式サイト


2011.5
メソッドアクター:一度役に入るとカットがかかっても浸りきること。ダーレンと同じで本番以外はスッと素に戻る俳優さんのほうが好きかな。


撃沈・・・





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