今、半分空の上にいるから

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今、半分空の上にいるから 龍と鷹 その5

2017-07-25 00:27:31 | 今、半分空の上にいるから①(完結)

 しばらくして半分天上界に禄郎が来ました。

 「大丈夫?」
公吉が心配して聞きました。

 「いや、メールが…」
禄郎が携帯を見せました。すると、ふわふわした雲がいくつも浮かび、メッセージが流れました。

 「なんなの?このファンシーなメールは?妖怪メール?」
公吉が呆れました。

 「お前が送って来たんじゃねーか。」
禄郎が文句を言いました。

 「でも俺が受け取ったのは普通の…あれ?」
公吉が見ると、何かキラキラした金平糖みたいな形でメッセージが流れました。
「…めちゃくちゃ可愛い。何これ?」

 「普通の通信機器は半分天上界は使えないから。二人の間のやり取りは地上界でもこうなる。」
 須佐之命は説明しました。

 「櫂太君も?」
禄郎が尋ねました。

 「櫂太とお前のやり取りも同じだ。」
須佐之命が言いました。
「でも自衛隊は他との連絡のやり取りがちょっと厳しいらしいが。」

 「あーなんかそれらしい事聞いた事ある。」
禄郎が聞きました。
「電話の回線も半分天上界仕様なの?」

 「半分天上界の通信機器は全てこうだ。」
須佐之命は言いました。

 「俺そのまま東京の実家で休むから、封印は付き合うよ。封印そのものは公吉君の力ですると思うから。場所だけ。」
禄郎は公吉に言いました。

 二人は半分天上界から東京駅に行って、東京スカイツリーの基礎工事の現場へ向かいました。

「ここに。」

 公吉の手から白い龍の鱗が離れ、宙に浮かんだ鱗はそのまま中に消えて行きました。





龍と鷹(了)





※『今、半分空の上にいるから』の注意事項

この物語はフィクションであり、実在する人物、団体、事件等とは一切関係ございません。

『今、半分空の上にいるから』は、二次創作ではなく、最初からオリジナル作品であり、他の作品とは無関係です。

作者の許可なく作品を複製、転載、使用する事を禁止します。


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