しばらくして半分天上界に禄郎が来ました。
「大丈夫?」
公吉が心配して聞きました。
「いや、メールが…」
禄郎が携帯を見せました。すると、ふわふわした雲がいくつも浮かび、メッセージが流れました。
「なんなの?このファンシーなメールは?妖怪メール?」
公吉が呆れました。
「お前が送って来たんじゃねーか。」
禄郎が文句を言いました。
「でも俺が受け取ったのは普通の…あれ?」
公吉が見ると、何かキラキラした金平糖みたいな形でメッセージが流れました。
「…めちゃくちゃ可愛い。何これ?」
「普通の通信機器は半分天上界は使えないから。二人の間のやり取りは地上界でもこうなる。」
須佐之命は説明しました。
「櫂太君も?」
禄郎が尋ねました。
「櫂太とお前のやり取りも同じだ。」
須佐之命が言いました。
「でも自衛隊は他との連絡のやり取りがちょっと厳しいらしいが。」
「あーなんかそれらしい事聞いた事ある。」
禄郎が聞きました。
「電話の回線も半分天上界仕様なの?」
「半分天上界の通信機器は全てこうだ。」
須佐之命は言いました。
「俺そのまま東京の実家で休むから、封印は付き合うよ。封印そのものは公吉君の力ですると思うから。場所だけ。」
禄郎は公吉に言いました。
二人は半分天上界から東京駅に行って、東京スカイツリーの基礎工事の現場へ向かいました。
「ここに。」
公吉の手から白い龍の鱗が離れ、宙に浮かんだ鱗はそのまま中に消えて行きました。
龍と鷹(了)
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