調書の確認も終わり、佐藤刑事は禄郎に尋ねました。
「これから東京駅に行くのか?」
「警察署の前にバス停あるから、バスに乗って近くの地下鉄の駅まで行きます。」
禄郎は答えました。
「帰ったら、うちの署にまた来てもらう事になるけど。電話で連絡する。」
「分かりました。」
禄郎が帰った後で、鈴木刑事が佐藤刑事に言いました。
「以前佐藤刑事が仰ったみたいに、彼、不思議な子ですね。」
「そうだな。」
お茶を飲みながら、佐藤刑事が答えました。
バスから地下鉄に乗り換え、大手町駅で降り、東京駅の新幹線乗り場に向かう地下道を歩きながら、禄郎は考えていました。
(翡翠の腕輪のある鳴滝山にまたいつか、もう一度行って見ようか。)
(…今の季節は雪降ってたけど。)
禄郎はやれやれと思いました。
(でも、博物館は人気のない真夜中か早朝に行かないとな。)
警察署を出てからずっと監視されているであろうし、体調も完全に治ったかはよく分からないので、今回は半分天上界は通らず、禄郎は新幹線で帰る事にしました。
謎の輪(最終回)
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