「雷電本紀」 飯嶋和一 (小学館文庫)
前回この著者の作 「黄金旅風」 を読んで読みいったので、
2作目も続けていきました。
またそのまんま歴史物に行くのは躊躇されたのだけど、「雷電」という伝説上の
お相撲さんの話だったので興味も沸き、それと表紙カバーの絵も魅力的でした。
読んでいくと、江戸中期の相撲草創期に活躍したお相撲さんの名前がゴロゴロ出てきます。
谷風、小野川、千田川、柏戸などなど。
もちろん作者のフィクションも混ざっているのだけど、そうした伝説上のお相撲さんの特長が垣間見えて、興味深く読みました。
他にも、昔は、今のように横綱という地位がなく大関が最高位だったり、
し切りを延々10度も行ったり、水差し?預かりなんて制度があったり、
期間も15日も無かったり、
そもそも力士自体は大名が抱えていて、そのため拵え相撲が横行していたり、
社会的な地位は極端に低かったことなど。
そうだったんだ~と頷くことも多かったです。
これまたボリュームがあったけれど、ググッと読み終えました。
ふーっ。
その時代から、200年以上も経った今の相撲界は、なかなかの盛り上がりを見せていますが。
歴史に思いを馳せつつ、今の相撲を楽しめたらいいかな。