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最高齢のお客さま

長いこと店をやっていると常連客と親しくなり、何年も食事にこなくなるとあれこれ心配してしまう。
忘れかけたお客さまから予約が入ると、あらゆる意味でなにか「ホッ」とする。
4年振りにある常連客から電話を受けた。「○○ですけど、覚えていますか、入退院を何度も繰り返していたので、体の調子が良くなったら食べに行こうと病院で思っていたんだよ。量は少なめに、やわらかい物でお願いします」との話であった。
当日、家族と食事を楽しんでいる姿を厨房から遠目に眺めていると、料理への集中力も当然高まった。
食後に挨拶に行くと、そのお客さまの笑顔から満足感が伝わってきた。
だが、「95歳になったんだよ。これがここに来るのが、もう最後かもしれない。」
その言葉に私の胸は詰まってしまい「先生、100歳までに私の料理を5回も召し上がれますよと」ようやく言葉にした。
「泉さん、お元気で。」
「先生、そんなこと言わないでください。またお待ちしております。」
それから1年経過したが、その予約の電話は今だに鳴り響いてくれはしない。

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