東へと


 インド、ネパールへの陸路で進む集合地点であったイスタンブールには外国の若者たちで活気に満ち溢れ、その中に私も紛れ込んでいた。
モスク、バザール、アラビア音楽、トルコ料理と興味をそそる。
 モスクからコーランを読む声が響きわたっていたテヘランからアフガニスタンへと入ってくると、
何かタイムトンネルに入ってきた感じで、外国人に出会うことも少なくなってきた。
何を食べて何日滞在したかが、まったく記憶に無い。
カイバール峠へ差し掛かったとき、あの美しい星空、いまだにあの美しさだけは心に残っている。
 パキスタンを通過してインドへと進んでくると、ニューデリーで久しぶりに日本人と出会い、
「よくぞご無事で」と乾杯した。
インド西海岸の都市ゴアで、ただ毎日、インド洋の朝日と夕日を眺めて生活していた。
 バンコク経由で日本までのチケットをようやく買った。
1975年9月に帰国して、スイスのホテル学校に入学するためにビザを習得して再び飛立った。

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