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ひとりぼっち


 どうも秋という季節が好きではない。枯葉、寒風ひしひしと身にしみ、30年近く前の生活を思い出し孤独感が増してくる。
ドイツ人の職人シェフと家族3人、料理人3人と衣食住を共にしていた。
夜はキャンドルの灯りの下で、独語、料理の本を開いていた。
秋風が吹いて冬が近づくに連れ観光客の人影もまばらになり、
枯葉だけが風に舞っていたように記憶している。
湖畔のベンチに一人で座りポケットからパンの切れ端を湖に投げ入れてみると、
白鳥だけが近寄って来た。
アベックが通り過ぎるのを横目で眺めながら、鼻水をすすった。
1975年、年は明けた。
基本を知らずに踏み込んでしまった料理の世界。
難しく、理解に苦しみ、悩んだ。料理学校で学んでみたかった。
Luzernにあるホテル学校に入学を許されることになり、学生ビザを取得するために日本へ一時帰国しなければならなくなった。
最後の自由で勝手気ままな時間だろうと、入学までの期間旅をすることにした。
その国の料理を食べ歩きながらゆっくりと陸路で日本へと向かうために、イスタンブールへと飛び立っていった。
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