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続編「厨房に立ち続けて」

開店40年の老舗レストラン、当然のことご高齢のお客様が多いー
レストランまで足を運んで頂けること「うれしい」だけではではすまされない
厨房からテーブル席のお姿を拝見すると、自然と料理にも力が入る
それには自身が健康体でなければ「旨い料理」で迎えられない
ご挨拶に行くと「シェフ—と手を差し出す」愛情豊かな92歳の手は温かく力強かった— お一人で奥様を介護していたのだが・・・

昨年、お客様からこんなお手紙を頂いていたー
「私は五月で九十歳。もう本作りはむりです。あと何年いきれることか」
ディナーを終えると来なくなったー これがお客様と別れの席だと思っていた。
今年「目が悪いだけであとは何ともないので、また本を書くことにした」と新刊本を携えて再来店、頂いた本の中には旅立たれた奥様のことを清く綴られいたー 
元気なお姿を拝見し安心した。
食後に人生の大先輩たちと語り合うのも楽しみ、何とも幸せなシェフ

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『イルドフランス シェフの一言』に引っ越しました
 これからも可能な限り投稿したいと思います

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続編マダム



2024年1月27日に投稿した噂の「マダム」が4月下旬、再来店してくれた
このレストランで再会できたこととても嬉しい、 新たなストーリーを描き足したい

急な予約だったのでムニュ構成に戸惑った
翌日、札幌卸売市場に買い出しに行き「極上のボタン海老と蝦夷アワビ、殻付き牡蠣」を手に入れてきた— 鮮度のいいボタン海老はクリュで、蝦夷アワビをフレッシタイムで蒸し煮、メインは真鴨のアンクルート、デセールはフランスのチョコでいくか、ムニュはでき上がった
当日、料理を出す瞬間に思わぬことが起きた「生が苦手だったことを忘れてしまっていた」ボタン海老のソースはどうしょうか― 
軽くポアレにしてオリジナルの海老のエキスソースでいくことにした
「マダムお味は」「セ・ボン」とのお言葉が返ってきた
知性豊かな教養あるステキなフランス人マダムだった


追伸
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厨房に立ち続けて

40年は長い、お客様が支えてくれた
その年輪には多くのドラマが刻み込まれている・・・
もう17年前になるだろうかー

ある日、厨房の電話が鳴り響いた、フランス修行時代の仲間からだった
アメリカ大使館のお客様から「札幌総領事館で料理人を探しています、誰か知りませんかと」イズミさんしか思い浮かばないので紹介してしまった
「総領事館から電話がいくけど、よろしく」とのことだったー  
簡単に言ってくれたけど・・・・
「2008年7月7日洞爺湖サミット」が北海道で開催されるが、総領事は要人を接待するための料理人を探していたようだ
「豊富な料理経験、高いスキルを持つ人材を求めるアメリカ合衆国」
 元アメリカ大使3名と札幌総領事を前にして、官邸の台所で試食のフランス料理をつくることになってしまった私
案の定料理は好評、伝わると思っていた
数日後面談に来てほしいとの電話があった、それから3年間、楽しく務めさせて頂いた

別れの日、総領事にフロンボアーズのタルトを持って行った
「あなたの料理はアメリカでウケます」「たくさん友達を紹介します、カリフォニアで
やりませんか」と誘われた、とても嬉しかった・・・
料理は人との出会いも生み出すのかもしれない

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トック・ブランシュ

高い真っ白なコック帽に憧れたあの頃・・・・
料理修業を終えて最終的に辿り着くポストは「ホテル料理長」か—
いや、個性派が集まる街場の「レストランオーナーシェフ」としてやっていきたい
立場の違いなのか、料理の取り組み方が異なるのはナゼなのか
いずれにせよ、自身に向く職場環境を選択すれば良いだけの話だがー

この頃の私、料理仲間とこんなやり取りあった
「楽なホテル料理長を望み、オーナーシェフを目指す人はいない」
「ホテルの料理長になれなかった人がレストランをやる」そのことが記憶に残る
あらゆる能力、情熱を持ち合わせてないと長く維持することは難しいオーナーシェフ
最終的な目標は「一国一城の主」ではないのか
皿の上に自由な料理を表現できるが、全ての責任も自らが負わなければならない
キュジニエとして、冥利に尽きる

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土の香り

標高130メートルに位置するレストランの雪解け は遅く、畑が顔をだすのは一か月先かもしれない
今年はミュール、フロンボアーズ、ハープなどの苗を玄関先に移すので春から忙しそう、野菜の種まきは6月になってしまう

厨房に自ら立ち続けているがまだ妥協できないことがある
料理の顔となる天然酵母自家製パンをもっとおいしく、独創的なエキスソースも完成したい、でないと「ここだけの料理」を皿の上に表現するとは言えない
フランスで皿の上に「自由」があることを見つけてしまった私、毎日楽しみながら料理を創り続けている
固定観念を壊し、自己表現できるフランス料理はすばらしい



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旬の野菜

毎年のことだが、春ムニュのことで頭がいっぱいー
菜の花、そら豆、ホワイトアスパラ、新玉ネギなど春野菜が出回りはじめている
前菜はホワイトアスパラのポシェ、軽いオランデーズソースで
春ニシンをマリネして薫、じゃが芋と菜の花とともに
デセールは苺のムースとシャンパンソルベ、フォマ―ジュブランのスープ仕立て

越冬させ旨みが増した血の野菜ビーツ、雪の下で眠っているを忘れていた
スープはビーツをローストにし無水で仕上げる、これこそ「地中からの恵み」
ムニュはでき上がったが、レストランはまだ残雪に埋もれている
春よ、早く来い、旬の食材は待っていてはくれない

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良き友

九州へ行ってみるかー
chefは、一人で悩んでいた。
先日、福岡の名店「フランス菓子16区」のオーナーシェフ三嶋さんと20年ぶりに再会、とても温かく迎えてくれた。
御年81歳、フランス菓子とともに生きるムシュにはオーラがある。
衰えぬ仕事への情熱、人生「立ち止まるな」ということかー
その姿を拝見し刺激しないワケがない、私にはとてもいい時間だった

帰宅してパソコンを開くと、Parisで知りあった友から「メッセージ」が入っていた。

 「Parisにいた時は 若かった! 夢というか自分のやりたい事にまっしぐら.色々あってもなんとか 通り抜けてきましたよね〜.
やり遂げてきたので 今になって満足出来るのでしょう(悔いはないというか,
精一杯 やったのだから).一生、続けるべきです、
仕事でお金のためでなく、自分のため、喜び、満足感をあじあうため。
人に喜んで貰えれば もっと 嬉しいし.まだまだ 行き止まりはありませんよ!」

吹っ切れた、ありがとう
私もここだけの料理で応えつづけていく
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フランス料理生おせち

毎年おせちの箱詰めが最後の仕事、何か高揚感がある。
誰が発案したのかわからないが、家庭でゆっくり、のんびりとフランス料理おせちと
シャンパンで年越し、いい年を迎えたのではないだろうか。
わたしは元旦から爆睡、二日は大学ラグビー選手権二試合をテレビ観戦。
頑張って北海道神宮に初詣に行き、御神籤はひさしぶりに大吉だった。
波が高くうねりはじめた世界、今年はどんな年になるのだろうか。

さて、燻っていた小説のことだが前へ動きはじめた。
虚構に満ちたストーリーではない。
1970年代のフランスが舞台、料理修業する若者たちの姿を描いていきたい。
シェフは、今年もこんな夢を見てしまった。
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シャトードゥラモットフェヌロン

「味」は、人との出会いを創るのかもしれない。
フランス在住40年、グルメでお洒落なムッシュがイルドフランスのテーブル席にあった。食後「フランスと変わりない味、よくつくれるな」とのコメントからお客様との距離感がちぢまり、話しは私の修行時代へとタイムスリップしていった。

47年前、皿の上の自由をフランスに求めていた私、スイス・ツエルマットにその姿があった。
フランス・ノール県カンブレ―郊外の名店「シャトードゥラモットフェネロン」から返信された手紙には「面接にこないのか」とシェフのサインが記されていた。
暖かく迎えてくれたシェフ、レストランでご馳走してくれた料理の味が忘れられない。
何とそのムッシュ、このシャトーで何度か食事をしたことがある云う。
一瞬耳を疑ってしまった。 

フランンスに帰国したムッシュ、数ヶ月後に今度はマダムを連れ添って再び来店。
想い出あるシャトーの写真、ムニュ、ロゴの入ったナプキンなどのお土産をもってきてくれた。ご夫婦からフランンスへのお誘いも受けた。
「シャルル・ド・ゴール空港まで迎えに行くし、家に泊まってもいい」
「シャトーのレストランに招待する」
「すでにシェフと約束してしまった、連れて来るて」また驚かされた。
お誘いを受けたこと、とても嬉しい。
料理とワインが楽しみ、若いシェフにも会ってみたい。
「ムッシュ、ご馳走になります 」

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年輪を重ねて40年

石窯のなかで「パテ・アン・クルート」が焼き上がった、薪の香りが食欲をそそる。
レストランを開店して足かけ40年、長がかったとは思わないが、何かその年輪に重さを感じてしまう。
多くのお客様に支えられ、ここまできたことを忘れてはいない。
とりわけ「来店100回のお客様たち」には、どのように表現したら良いのだろうか。
「料理の力」は凄い、との言葉しか見っからない。
フランス人マダムは「どうしたの、こんな美味しいレストランを続けて」とのメッセージがノルマンディーからも届けられた。
自ら厨房に立ち続け、ここだけの料理を皿の上に自己表現できることがうれしい。
世界でもっとも幸せなシェフであることに気がついた。






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