廃盤日記(増補改訂版)

めざせ!日本全国の中古盤店制覇!(by じみへん)

★単行本 「ケーフェイ(新装版)」 佐山聡著

2005年06月20日 | BOOK
 
タイガーマスクの話題ついでに、こちらのネタも取り上げておきましょう。初代タイガーマスクの覆面を脱いだ佐山聡が書いた暴露本 『ケーフェイ』 がコレです。僕が購入したのは1993年に発売された新装版で、発行元はナユタ出版会、発売は星雲社となっております。当時の価格で税込1200円でした。

黒い表紙にデカデカと「ケーフェイ」と書かれた実に意味深なタイトルの単行本でありますが、僕は最初、この「ケーフェイ」というのは朝鮮語か何か外国語の単語だと思ってました。しかし、本書の冒頭に書かれている説明書きを読むとこの「ケーフェイ」の意味が判りやすく書かれておりました。「ケーフェイ」とはプロレス界で使われている隠語であり、プロレスラーたちは聞かれるとまずい会話に他人が入ってくると “ケーフェイ!” と合図して話題を変えるとあります。ケーフェイとは「フェイク」という言葉を裏返しにしたものと云われており、ちなみにフェイクの意味としては「サギ師」「インチキ」「ねつ造する」などの意味がある、と書かれていました。昔からプロレスと八百長試合というのは、常に噂されていたネタでありますが、今でこそ多数のプロレス暴露本が出回っておりますが、この本が発売された当時はプロレス界全体を震撼させてしまうぐらい話題になった単行本であったことは間違いありません。プロレスにあまり興味のない方でも、どこかでこの『ケーフェイ』というキーワードを耳にしたことがあるはずです、たぶん現在37~38歳以上の方は(笑)。僕の中でも当時のベストセラーといえば、まず思い出すのが黒柳徹子の 『窓際のトットちゃん』 か、この 『ケーフェイ』 かというぐらいで(本当かよ?)。とにかく衝撃的なネタで、日本全国が「東スポ」的な視点でプロレス界を観るようになったことは間違いのない事実だと思います。そういえば、この本が出て以降、プロレス団体の離散集合が増えたんじゃないでしょうかね。今はなきUWF設立でゴタゴタしていたのも、やはり同じぐらいの時期だったんではないかと思います。

時代は移り変わり、他の総合格闘技に脚光が移るようになってプロレス界も様変わりしました。以前よりは判りやすい、透明性の強いプロレス試合が増えたことは事実だと思いますが、根本的なところは何も変わっていないような気がするのもまた事実であります。一度引退した選手がその数年後にまたノコノコとリングに上がって来る図式をみるにつけ、思わず「茶番だ」と思ってしまうのはきっと僕だけではないはずだと思いますが‥‥。プロレスはショーだと割り切ってしまえば、それはそれで楽しいのでしょうが、それだけでは割り切れない何かが存在するのもまたプロレスの魅力であるため、一概にはなかなか割り切って観ることが出来ないんですよねえ~、恥かしながら(苦笑)。