Zooey's Diary

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「ダーシェンカ あるいは子犬の生活」

2011年02月07日 | 

子どもの頃、「長い長いお医者さんの話」で親しんだチェコの国民的作家カレル・チャペックの
愛犬に捧げる本というのをブックオフで見つけて思わず買ってしまいました。
「1933年に出版されて以来、世界的ロングセラーを続ける名著の普及版」
なのだそうです(本の帯より)。
しかもこの1988年版は、表紙がチェコでの初版本と同じデザイン(写真上)で
しかも日本での初版本についた佐藤春夫の「この本を店頭から持って帰ることは、
犬好きにとっては愛らしい子犬を一匹抱えて帰る時と同様に楽しいものに相違ない」
という序文がついているのです。
こりゃ買わない訳にはいかないでしょう?


チャペックの飼い犬フォックステリヤ「イリス」に赤ちゃんが生まれた。
ダーシェンカと名づけられたこの仔犬の成長する様子が
エッセイ、イラスト、写真、(ダーシェンカに聞かせるための)お話などで綴られている。
どうしようもない腕白仔犬に手を焼きながらも
「お聞き、ダーシャ」というその優しい言葉!
贅沢にふんだんに飾られているイラストの可愛いこと!
(写真のようなイラストが山盛りです)


腕白仔犬に静かな生活をかき乱されて途方に暮れながら
ダーシェンカを見守る優しい目、ウィットに富んだ愛情表現。
もっとずっと読んでいたいと思うのに
別れの日が来てしまうのです。
”ついに、ダーシェンカが、よその家にもらわれていく日がやってきた。
(中略)家の中には平和が訪れた。
幸い、もう、あの困った子犬が、いつ何どき、どんなものを壊すか、
どんないたずらをするか、と始終びくびくしなくてもすむ。
ありがたいことに、ダーシェンカはもういないのだ。
ところが家の中は、急に火が消えたようになってしまった。
一体これは、どうしたことだろう。
私たちは、おたがいに目を合わさないよう、さけている。
部屋のすみを見ても、もうあの子はいないのだ。
おしっこをしたあとも、どこにもない…
犬小屋では、毛をむしられ、疲れ切ったおかあさんのイリスが、
ひっそりと目をしばたかせながら泣いている。”

一緒に泣きました。
疲れたときに読みたい本です。

「ダーシェンカ あるいは子犬の生活」http://tinyurl.com/4s9kudw
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