Zooey's Diary

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「オットーという男」

2023年03月31日 | 映画

2015年にスウェーデンで大ヒットしたという、「幸せなひとりぼっち」(フレドリック・バックマン原作)。
トム・ハンクスを主演にした、そのハリウッド版リメイク作品です。
スウェーデン版が私はとても好きだったので、つい比較しながら観ました。

オットー(トム・ハンクス)は年中不機嫌な顔をしていて、近所をパトロールして少しでもルール違反した者を見つけたら怒鳴りつける頑固爺さん。愛する妻に先立たれ、生きる希望を失くした彼は何度も自殺を試みるが、その度に越してきた隣人マリソルに妨げられる。マリソルは底抜けに明るいメキシコ系移民で、オットーの思惑お構いなしに子供の世話や運転指導を頼んでくる。オットーは戸惑い、腹を立てるが、隣人一家との交流でいつしか心を開いて行く…



シンプルだったスウェーデン映画にたっぷり枝葉をつけ、膨らませたという印象です。
オリジナルでは、オットーの妻はバス事故で流産もしていないし、そのせいで障害者にもなっていない。
迷い猫もあそこまで執拗にオットーにまとわりつかなかったし、LGBTの少年も出て来なかったし、オットーは最後にあんな遺書も残さなかった。
まあハリウッドの、泣き所を作ることの上手なこと!
そう冷めた目で思いながらも、涙が止まらないのはどういう訳だ!?



スウェーデン版では、サーブ愛好家の主人公が、ボルボ派の友人とそのせいで仲たがいまでするという設定でしたが、ハリウッド版では、シボレー・クルーズ愛好家のオットーとフォード派の友人という設定。
絶交したことを後悔したオットーが仲直りに行くと、友人はフォードからトヨタ・セリカに買い換えており、それを見たオットーは再び絶交してしまう。
いやあれはトヨタが許せなかったというよりは、友人が志を貫かないことが許せなかったのだと、日本人としては思いたいところです。



オットーの青年期を、トム・ハンクスの実の息子トルーマン・ハンクスが演じたということで話題になったようですが、ビックリするくらい似ていないのです。
実の親子ならいいというものではないのですね。
にしても、私は「エブエブ」よりはこういう作品の方がずっと好きなのだと、つくづく思いました。

コメント (8)
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