Zooey's Diary

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「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」

2015年03月26日 | 映画
第2次世界大戦時、ドイツの世界最強の暗号機エニグマを解き明かした天才数学者
アラン・チューリングの悲劇的な人生を描いた伝記ドラマ。
本年度アカデミー脚本賞受賞、モルテン・ティルドゥム監督。



1939年、ケンブリッジ大学の研究者アラン(ベネディクト・カンバーバッチ)は誘いを受けて田舎町の政府施設を訪ねる。
そこには言語学者やパズルの天才など国内の精鋭が集められ、ナチスの暗号機解読という
極秘任務が命じられる。

アランは自他ともに認める変人の天才で、傲慢で嫌な性格。
機械に打ち勝つにはそれより高度な機械を作るしかないと、その開発に打ち込む。
仲間と打ち解けようともせず、たった一人で黙々と。
中々研究の成果が上がらず、ボスに首を言い渡されるとチャーチルに直訴し、
自分がチームのボスとなる。
そして仲間二人を、無能としてその場でクビを言い渡す。
そんな彼が仲間に受け入れられるわけもなく益々孤立していくのですが
そこに女性ジョーン(キーラ・ナイトレイ)が加わることで事情が変わる。
彼女はアランをよく理解し、彼を仲間に受け入れられるように誘導するのです。
そしてあの巨大で難解な機械の開発は、仲間の協力なしではできないものでした。



暗号解読ができれば大団円かと思いきや、更なる苦悩が覆い被さる。
自分の家族が乗っている船が攻撃されると分かっていても
突然それを阻止すれば、暗号が解読できたことがナチスにばれてしまう。
戦争に勝つためには、解読成功を最後まで隠匿しなければならない。
そして実にそのようにして、連合軍は常に優位に立ち、勝利を導いた。
エニグマを解読したことによって、終戦を2年早め、
1400万人の命を救ったとまで言われているようです。

しかし戦後になっても、何故それを50年間隠蔽し続ける必要があったのか?
戦後アランは大学教授に戻るが、1952年同性愛であることが発覚して逮捕。
その後、去勢のためのホルモン剤を強制投与され続け、体調を崩して54年に自殺。
英国政府がアランの功績および同性愛による有罪の不当性を認め、
正式な謝罪を表明したのは、なんと2009年。
2013年、エリザベス女王が正式に恩赦を執行。



いや面白かった。
暗号解読というサスペンスに、アランのいじめられた少年時代の孤独、天才としての苦悩、
同性愛者としての不遇などが盛り込まれ、2時間息をつぐ暇がありませんでした。
アランが開発した機械は、現在のコンピューターの原型ともいわれているのだそうです。
戦争も恐ろしいが、国家というものの恐ろしさも伝わって来た映画でした。

http://imitationgame.gaga.ne.jp/
コメント (6)
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