Zooey's Diary

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精一杯の少女の矜持「マリー・アントワネットに別れをつげて」

2013年07月15日 | 映画


マリー・アントワネットの朗読係である少女の視点で
フランス革命の裏側を描いた歴史劇。
シャンタル・トマのベストセラー小説「王妃に別れをつげて」をブノワ・ジャコー監督が映画化。
2012年フランス・スペイン映画。

1789年7月14日、バスティーユが陥落しフランス革命が勃発。
マリー・アントワネットを筆頭にした処刑リストが出回り、べルサイユは騒然となる。
しかしそれまで栄華を誇っていた王侯貴族たちは、まだ切迫感も恐怖感もなく、
例えば王妃は、田舎に行くのに持って行く本のリストを作らせたりしている。
その時はまだ宮殿は占領された訳でもなく、混乱の中にも日常生活はあり、
貴族や使用人たちは右往左往しながらも逃げ放題の状態でもあった。
そんな中で、王妃に心酔する朗読係の少女シドニー(レア・セドゥー)は
王妃(ダイアン・クルーガー)の傍を片時も離れず、王妃の為なら何でもする覚悟だった。
そんな彼女に、ポリニャック夫人を愛する王妃が下した命令は
なんとも残酷なものだった…



革命前夜のべルサイユ宮殿の日常を描き出す、淡々とした映画です。
自分の身に起こっていることが、まだまだ実感できていない王侯貴族族たちの姿が悲しい。
だってその後の結末を、我々は知っている訳ですから。
王妃が、自分に一途に想いを寄せている少女を利用して
寵愛しているポリニャック夫人の身代わりをさせようとする悪女ぶりが面白い。
それを少女に色々と言葉を尽くして告げようとするシーンで
「つまり私に身代わりになれということですね」
とシドニーは言ってのける。
そんな露骨な言い方をするとは、と怒る王妃に
「言葉は私の財産です。使い方は承知しています」と。
それまで何でも王妃の言いなりになっていた少女が
初めて自己出張をするのです。
貧しい生まれで教養もろくにないような少女に、それだけの矜持があったとは…



それ以外には特に感動することもなかった映画でしたが
感想を書く気になったのは
実際にロケを敢行したというべルサイユ宮殿の映像が素晴らしかったから。
べルサイユ宮殿というとシャンデリア煌めく豪華なお城、というイメージを持っていましたが
実際に行ってみて驚いたのは、何しろ広いのです。
広大な庭、噴水、運河、森が見渡す限り広がっている。
本館から、アントワネットが住んでいた離宮プチ・トリアノンまで行くにも
歩いてだったらどれだけの時間がかかることか…(私は自転車で行きました)。
その豪華絢爛な宮殿や調度品、ボートを浮かべられる広い池、贅を尽くした王侯貴族の衣装、
そういったものが存分に楽しめる映画です。


(昨夏行った際の写真、これでも庭のごく一部です)

公式HP http://myqueen.gaga.ne.jp/
コメント
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