Zooey's Diary

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『しあわせの隠れ場所』

2010年03月15日 | 映画
豪邸に住むセレブな主婦の白人女性リー・アン(サンドラ・ブロック)は
冷たい雨の中、半袖一枚で歩く巨体の黒人少年に目を留める。
母親は薬物中毒で、寝る場所もないというマイケルを
一晩のつもりで家に招き入れるが、生活を共にするうち、結局法的後見人となり、
ベッドから教育、家族の愛、あらゆるものを彼に与える。
落第すれすれのマイケルだったが、アメフトの才能を買われ、
有名大学にスカウトされ、やがてNFLの有名選手となる。

まさにアメリカン・ドリームの王道ですが
これが実話だというのだから驚きます。
リー・アンのしたことを、金持ちの道楽だとか偽善だとか
色々と言う向きはあるでしょう。
しかし、最初のきっかけはどうであれ、
結果的にそれで一人の少年が幸せになれたのであれば
それは悪いことではなかったと言えると思うのです。

話の中ほどで、リー・アンが自分の子ども達とマイケルを連れて
本屋に立ち寄るシーンがあります。
子ども達が、自分の好きだった絵本を手に取って懐かしむ横で
リー・アンがマイケルにあなた(の好きな本)は?と訊くと
何も、と。
悲惨な環境で育った彼には、絵本なんて無縁だったのでしょうね。
そこでリー・アンは、小さな息子と巨体のマイケルに
絵本を読んで聞かせるのです。
そこに出てきたのが「花のすきな牛」。

おお、私の得意分野ではありませんか。
「花の好きな牛」知ってますとも。
英語の題名は"The story of Ferdinand"というのですね。
牛のフェルジナンドは花の匂いが大好き。
他の牛たちはみなマドリードの闘牛場で勇ましく闘うことを夢見ているのに、
フェルジナンドだけはいつも花の匂いをかぐのを楽しんでいた…
「自分自身でいていいんだよ、そのままが一番」
というようなことがテーマの絵本だったと思います。
リー・アンはそのままのマイケルを受け入れ、
彼の才能を開花させてやった…

独善的で怖いものなし、キップのよいセレブ主婦を
サンドラ・ブロックが気持ちよく演じています。
ゴールデン・グローブ、アカデミーの両方で主演女優賞を取ったのも
納得できます。

☆3.5

『しあわせの隠れ場所』
コメント (6)
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