Zooey's Diary

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世界で一番寂しい男「ブッシュ」

2009年06月11日 | 映画
まあ、この映画を選んだ時点で
感動作が観られるとは思っていなかった訳ですけど。
一体どうしたらあんな駄目大統領ができるのか、その背景を見てみたいと
いった好奇心が、その鑑賞理由でしょうか。

2008年アメリカ、オリバー・ストーン監督。
“世界でいちばん有名な大統領は、世界でいちばん寂しい男だった”

ジョージ・W・ブッシュは、父親のジョージ・H・W・ブッシュと区別するため、
アメリカではミドルネームを表わす「W」と呼ばれることもあるそうで
この作品の原題「W.」はそこから来ているのですね。
そして、この原題は、彼の立場とつらさをよく表わしているように思います。

アメリカの名門の家庭に生まれ、父親と同じ名前をつけられ、
その長男としての期待に応えなければならないことのつらさ。
コネで父親と同じイエール大学に入るも、本当に好きな野球もできず(選手になれなかった)、酒におぼれる日々。
卒業後はブッシュ一族の経営する石油会社、投資会社、スポーツ用品店を任されるが、どれも長続きせず、失敗。
パパ・ブッシュに「お前はできそこないだ。ブッシュ家の恥だ。弟のほうが出来がいい」と責められる。
強い父親の支配下から、いつまでも逃れられない男…

その父親を見返すためにしたことが、イラク戦争だったとしたら?
そんな馬鹿げた理由のために、世界中が、あの戦火にまみれたとしたら?

オリバー・ストーン監督は、批判というよりは同情的に彼を描いているように見えます。
こんな父親が側にいたら、普通の人なら金属バットで殴るか、
引きこもりになるかしてもおかしくないと思うのですが
彼の場合は、世界規模の殺戮者になってしまったのですね…
その単純さ、その愚かさ、その生まれた家の故に。
彼の功績は、その後のオバマ大統領を生み出したということに尽きるのかもしれません。

☆2.5

「ブッシュ」
コメント (2)
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