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新国立劇場の「ドン・キホーテ」

2020-10-25 10:00:08 | バレエ
10月24日(土)の昼に、新国立劇場でバレエ「ドン・キホーテ」を観る。最初は千鳥格子の座席で発売され、その後に間の空いた席が発売されたので、今回も二人で行くと間に知らない人がいるパターン。仕方がないので、席を変わってもらった。今回は人気演目ということもあるのか、劇場全体では8割ぐらい埋まっていた。1階席前方3列は今回も発売していない。連絡先を書く紙が事前に送られてきており、連絡票の提出、サーモカメラによる検温、手の消毒、チケット確認という順序で、比較的スムーズに流れていた。とにかく、通常公演のスタイルに戻りつつあるのはありがたいことだ。間に25分間の休憩が二回あり、1時30分開演で、4時20分ごろ終演。

通常の公演体制に戻ったとは言え、演目は当初の計画通りにはいかず、今回の「ドンキ」も昨シーズンの持越し、来年予定していたニューイヤーバレエ、吉田都セレクションなどの新規製作はいずれも実現できず、旧作への差し替えが発表されている。残念なことだが、外国との交流が止まってしまったり、十分な練習時間が取れないなど、いろいろな課題があるのだろう。それでも本格的なバレエを観るのは、7か月ぶりだったので、うれしかった。

今回も新国立のプリマが5人ほどキトリを踊るのだが、だれで見るのか困ってしまう。熱心なファンの中には全員を観る人もいるようだが、日程が続いているのを観るのはつらいので、今回は木村優里と渡邊峻郁という若手のホープを観ることにした。この演目は最後に32回転の見せ場があるので、ベテランならば米沢唯だろうが、彼女のキトリは何回か見ているので、今回は木村優里にしたわけだ。

木村優里の踊りは、表現力はまだ工夫の余地があるのかもしれないが、華やかさがあって、見ていて楽しい。特に回転に関してはすごい。今回も最後のグランフェッテは、1回転1回転3回転というパターンを繰り返し、おまけに3回転の時に扇を広げて見せるという離れ業を見せ、しかも安定しているので驚いた。最後の締めくくりの回転も高速なので、音楽が追い付かないくらいだった。

渡邊峻郁は立ち姿が美しく、背も高いので、木村優里と組むにはとても良い感じ。最初の登場の時のジャンプがとても高かったので、それだけで感動してしまった。リフトも高く、日本でもこうした水準の公演が楽しめるのは本当にありがたいことだ。

そのほかでは、闘牛士役の井沢駿も印象に残る踊り。凛々しい漫画の王子のような美しさで踊る。普段はサポート役が多いが、こうした役で踊ると個性が光ると感じた。

オケは、冨田実里指揮の東京フィル。冨田実里はバレエを得意としているだけあって、実にピタリと踊りと合わせた音楽で気持ち良い演奏だった。

すっかり気分を良くして、帰りに買い物して帰り、家で食事。サラミ・ソーセージ、大根のサラダ、メインは真鯛のポワレを作った。ワインはポルトガルの白。ポルトガルは小さな国だが、地形が複雑で、ワインの水準も高い。

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