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オペラ、バレエ、歌舞伎、文楽などの鑑賞日記です

プリティ・ウーマン

2024-09-16 13:13:50 | ミュージカル
6月15日(日)の夜に、新国立劇場で米国ツアー・キャストによるミュージカル「プリティ・ウーマン」を見る。5時開演、1幕1時間10分、20分休憩で、2幕1時間。終演は7時半ごろ。30~40代の観客が多いが、満席ではなく、7割程度の入り。中劇場ではなくオペラパレスの大劇場の方なので、2000席ぐらいあるため、ミュージカルには少し大きすぎる。日生劇場ぐらいの1200席ぐらいの方が、ミュージカルらしい雰囲気だ。劇場が作品に合っていないためか、ムードが出にくい印象だった。

題名からわかる通りに、1990年に大ヒットした映画のミュージカル版。東京で1週間、立川で1週間、大阪で1週間というツアーになっている。キャストは一流ではないが、米国のツアーカンパニーの水準は高いから、安心してみることができた。

物語は東部の大実業家が企業買収のために西海岸に1週間出張する時の話。ハリウッド大通りで仕事する街娼の若い娘の天真爛漫さにひかれて1週間借り切ってエスコートさせるうちに、孫氏の兵法ではなく、シェイクスピアののソネットを読むようになり、最後はプロポーズする。二人の出会いは、実業家が慣れぬ車を運転して路に迷って、案内を受けるというもの。高級ホテルのペントハウスを借りているのだから、当然運転手付きリムジンを利用しそうなので、現実感のない話だと感じた。

現実離れしたおとぎ話の様で、最初に映画を見たときから違和感があったが、30年以上たって改めてこの話に接しても、時代が代わっただけにさらに違和感を感じた。物語は別に面白い展開があるわけではなく、単にうぶな娘が喜ぶのを楽しむオジサンみたいな話だから、映画で見せ場になった名場面を舞台上で再現しただけという形。その中でも、ベバリーヒルズのホテルのコンシェルジェとメッセンジャーボーイの描き方に工夫があった。

歌は皆うまかったが、音楽はいささか単調。100名は入る新国のオケピットに、キーボード、ギター、エレキベース、パーカッションと4~5人のオーケストラで、弦も管も使っていないから音が貧弱だった。最近は費用節約なので、オーケストラの人数が少なく、音を大きく、リズムを強くして、誤魔化すので歌も当然単調となる。踊りもあまり工夫がなく、つまらない動きの繰り返し。メッセンジャーボーイ役だけはちゃんとしたダンサーで、動きがきちんとしていた。出演者も20人という最低の人数で頑張っていた。

それでも、早い展開で飽きさせず、映画のエピソードを一通り入れて盛り上げ、カーテンコールでは映画の主題歌も歌って観客サービスしていた。一夜の娯楽としては、それなりに楽しめる。

新国立劇場は、いつも館内が暑くてうんざりするが、今回は貸し小屋公演なので、キチンと冷房が効いていて、すこぶる快適だった。いつもこのくらいきちんと効かせて欲しいものだ。

家に直帰して軽い食事。キャベツとトマトのサラダ、生ハム、田舎風パテ、鳥のパテなど。飲み物はフランス産のスパークリング。

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