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映画「プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード」

2019-07-18 06:58:00 | 映画
衛星放送の録画で「プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード」を観る。副題の「誘惑のマスカレード」というのは、仮面舞踏会でモーツァルトとソプラノ歌手が出会って恋愛関係になるので、そうしたのだろうが、あまり内容にあっていない感じ。モーツァルト像というと、映画版「アマデウス」を見てからは、なんとなく、あの映画に描かれた天才だが軽薄なイメージを刷り込まれてしまったが、この映画のモーツァルトは、真面目な好青年という感じで描かれている。

19世紀の末に、「フィガロの結婚」は封建制度批判的な感じがあるので、ウィーンではあまり受けが良くなかったらしいが、チェコのプラハでは大人気となったとオペラの歴史書には書いてある。そこで、モーツァルトはプラハに招かれて新作「ドン・ジョヴァンニ」を上演する。この映画では、チェコに呼ばれたモーツァルトが、「ドン・ジョヴァンニ」を書き上げて上演するまでを描いている。

モーツアルトの妻のコンスタンツァは子供と共に、温泉療養に行ったので、モーツァルトは単身プラハに乗り込み、そこでフィガロに出ていたソプラノ歌手と恋に落ちる。

一方、プラハで力を持った有力貴族で、モーツァルトを呼ぶ旅費を負担した男は、残忍な好色家で、次から次へと周りの女性を毒牙にかけていく。この貴族もモーツァルトが恋したのと同じソプラノ歌手に目を付けて、モーツァルトを付け狙ったりするのだが、そうしたエピソードがそのまま「ドン・ジョヴァンニ」に盛り込まれていくという展開だ。有名な石像の話や、騎士長殺し、従者とマントを取り替えて逃げる話などが盛り込まれる。

「ドン・ジョヴァンニ」のオペラを知っていると、ああ、このエピソードはあそこに繋がるのだなとわかって面白いが、オペラを知らないと、そこいらの面白さは半減してしまうだろう。

劇中に出てくる、「フィガロの結婚」や「ドン・ジョヴァンニ」の舞台場面も結構楽しめた。2016年のチェコとイギリスの合作で、英語版だった。プラハの旧市街の昔の街並みが映像でも美しくとらえられていた。

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