ライトヒッティングな生活

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読書感想文「松坂世代」、他

2006年10月28日 17時06分27秒 | 野球-マリーンズ
矢崎良一著「松坂世代」(河出文庫)を初めて読んだ。面白かった。

松坂自身を語ったものではなく、彼のボーイズリーグ時代・高校時代のチームメイトや対戦相手・同じ大会などに出場したたくさんの選手たちの、対戦した試合のことや、現在置かれた環境、辿ってきた道、また、それに伴う心の機微を丁寧にえがいている。
対戦した試合といっても、甲子園の試合だけではなく、練習試合なども含まれている。

加えて、「あの年の横浜高校」がどんな風にしてできあがったか、松坂の出身の江戸川南シニアというチームのこと、なども詳しく追っている。そうやって結果的に、松坂大輔という選手のことも浮き彫りにしている。


面白かった。
松坂云々というよりも、単に題材が面白かったのがまず第一。私が今まで、「(いわゆる)野球名門校」のできあがりかた、というものを詳しく知らなく、想像だけで補っていた部分が大きかったせいもあるが、新鮮な話が多かった。普段、出身校だけでひとくくりにして見てしまいがちな高校球児ひとりひとりにも、いくらでも注目すべき背景があるということが改めて分かる。(こういう本を読むと、もともとさほど否定していなかったが、「野球留学」に対してますます肯定派になってしまう。)そして、名門校出身の選手たちの、それぞれの「野球の続けかた」「野球のやめかた」についても、非常に興味を持って読んだ。

そしてそこに松坂という重心を置くと、話がグッと引き締まる。ノンフィクションとして1冊の本にするならば、本当に格好の題材だろう。

個人的には、久保が何故そのまま関大に進学しなかったのか以前から非常に疑問だったので、その謎が解けただけでもかなりの収穫だった。
また、松坂はじめプロや社会人で野球を続けている選手よりも、上重のようにすっぱりと野球をやめたり就職を機に軟式に転じたりしている人、要は、プロを目指す立場ではなくなった人、の話のほうが興味深かった。


難をつけるとするならば、「松坂世代」という主題であるからもちろん仕方がないのだが、何もかもを松坂に結びつけ過ぎるきらいはあるかもしれない。そもそも「松坂世代」でくくる必要はないのでは、という選手も居た。しかし、そんな選手のことでも「読ませる」ものになっていたのは素直にすごいと思う。

松坂世代の大学生がプロ入りした2003年に出版された本なので、例えば久保は松下電器で伸び悩んでいる時期でマリーンズのマの字も出てこないし、四郎は野手に転向して1年目だ。そんな時間の経過のことだけを思っても、少し切なくなったり、もどかしくなったり、感情移入できる。




■ついでに、書評・コラムの件を少し

1.10月22日(日)の朝日新聞朝刊に、渡辺俊介著「アンダースロー論」の書評が載っていた。一般紙に載るなんてすごいぞ。
狙ったのだと思うが、「絶滅危惧種のロマン」という見出しで、一見、野球と一切関係なさそうに見えるところが面白い。評論としても「投手・渡辺俊介」としてではなく、ちゃんと本の内容を捉えて評価してくれていた。ああやって普通に並んでいると、「著者:渡辺俊介」という名前が野球選手の名前に見えなくなってくるのが困るw

2.先週の「週ベ」の俊介コラムは、なんと打撃論だった。爆笑。いやー、返す返すもあのジャイアンツ戦でのプロ入り初ヒットがタイムリーにならなったのは残念やなぁ。俊介に打点がつくチャンスなんて、もうないかもしれないのに。

この週は、「惜別球人」のページがモロだったこともあり、ついつい買ってしまった。セレモニーの花束贈呈でコーイチと抱き合ってる写真、よかったなぁ。
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