赤レンガ造りでお馴染みの東京駅丸の内駅舎が、創建当時の姿に復原されて10月1日にグランド・オープンしたことはもうご存知であろう。
有名な建築家辰野金吾氏により設計され1914年(大正3年)に創建された駅舎は、堂々たる姿と赤レンガの優美な色で多くの人々から親しまれていたが、第二次世界大戦末期の1945年(昭和20年)5月25日の空襲で南北のドームと屋根・内装などを焼失した。
戦後、3階建ての駅舎を2階建て駅舎に姿を変えて復興したが、このほどの「保存・復原工事」では外観を創建時の姿を忠実に再現するのはもちろんのこと、未来に残すべく、鉄骨煉瓦造の下に地下躯体を新設して機能を拡大した上、巨大地震にも耐えうる免震工事を施した。
昨日は東京駅で人と会う用事があったので、改めて復原なった駅舎を”見物”したのだが、グランド・オープンから間がないこともあって、多くの見物者が押しかけて来ていた。
復原なった丸の内駅舎の中央部
北口方向から駅舎正面全体を眺める 北口のドーム
南口でドーム内を見上げる人々 そのドームの天井は駅舎とは思われないほど優美
ところで、今回の工事は単なる復原工事ではない。冒頭の本文でも書いたが「保存・復原工事」であり、既存のレンガ躯体と鉄骨の保存も行っているのだ。例えば下の写真は線路側の部分だが、既存のレンガと新しい化粧レンガがこのように対比して見える所がある。
保存された既存のレンガと新しい化粧レンガ