桜が満開に咲ききると、待っていたように冷たい雨が打ちつける、季節の巡り。
そんな週明け。
朝の通勤ウォーキン、小豆沢のうねうねした小道を傘をさして歩く。鴉も寒そうである。鴉と言えばだが、去年の五月頃やはりこの沢の道を歩いていた朝まだき、飛来した二羽の鴉に思い切り後ろ頭を(交互に、二度に亘って)蹴りつけられたことがあり、まったくフツーに歩いていただけであったので、鴉にまでわがヴァルネラルビリティは有効なのかと、自らの苛められっ子性に思いを馳せ思わずダークになってしまった耽美者なんであった。古川日出男の『サウンドトラック』を読んで以来、この存在に親和の気持ちすら抱いていたのに、このよーなふやけた愛は報われないのであろーかと哀しんだのである。しかし、本日配布の“さ*たま市便り”なんぞ読んでいたらば、「繁殖期の鴉の攻撃に気をつけましょう」なる告知があって、どーもコレは単に繁殖期に鴉の家の近くを無防備に通ったから、というだけのことで耽美者が標準装備している攻撃誘発性とは全く関係ナッスィングらしい。自然界の理を知らずして自らの感情を語るなという話ですね、ははは。お馬鹿さんな耽美者もひとつ学びました。
ところで、週明けの昼休みには会社で読むことにしている読売新聞の週末からのぶんを一気に読む。日曜日の紙面には書評欄があるので、まー仕事柄そこのところを重点的に読む(出版広告もチェックする)。読売の面白いところは、朝日なんかだと別カテゴリになっているコミックの書評が、書評欄に普通に取り上げられているところである。で、そんな書評。益田ミリの『結婚しなくていいですか。』(幻冬舎)…まあちょっとらしくなく(て、どういうのがらしいのか分からんが)昼休みのデスクでじーんとしてしまった。買ってしまいそう(書評のトラップに嵌っている)…。
うん、そうだな。そうだよねえ。なるべく夾雑物なく、加齢してゆきたいもんだけれど、と当年44になった耽美者も思う。今年35の同僚なんかはもっとクるだろう。抜けたかな、と思ったんだけれどちょっと春鬱の名残を引き摺る物憂い雨の週明けなのだった…。短いし、いい文章だと思うので全文引用。
地道な大人で、女の子で 3月30日付 読売新聞書評欄 書評:梯久美子(ノンフィクション作家)
少し前、若い女性歌手が「三十五歳を過ぎたら羊水が腐る」と発言して非難された。世の女性たちが怒ったのは、彼女の無知に対してではなく、「腐る」という表現に、歳をとると女は汚くなる、という若さゆえの傲慢(ごうまん)を感じとったからではないか。少なくとも私はそうだった。
この本の主人公・すーちゃんは三十五歳独身。カフェの店長で、一人暮らしだ。仕事は気に入っているし、地味だが楽しく生きている。そんな彼女がカフェの新メニューを試作しながら考える。おばあさんになっても外でおいしいものを食べたい。でもおしゃれなレストランは入りづらそう。キレイな格好していけば大丈夫かな。
そして、ふと疑問に思うのだ。どうして、特別キレイにして行かなければと思うんだろう。<歳をとることは汚くなること?/歳をとると人は不潔になるの?/コツコツ生きておばあさんになって/そしたら街には自分を歓迎してくれるレストランもカフェもないのなら>。すーちゃんはため息をつく。そんなの淋(さみ)しい、と。
三十歳以上の女性なら誰もが思い当たる、ささやかだが胸にしみるエピソードで構成されたマンガである。すーちゃんは地道に暮らすちゃんとした大人だけれど、心は女の子だ。今どきの独身女性は、女の子のまま三十代になり四十代になる。一人で老いる不安を抱きつつ、前向きに生きている、もう若くない女の子たち。
この本を電車の中で読んでいたら、涙が出て困った。花粉症のふりをしてティッシュを取り出しながら、ふと思った。あの女性歌手は、傲慢なのではなく、ただ怖かったのではないか。芸能人もOLも、若くても中年でも、女の子はみんな怖いのだ。歳をとって身体が衰え、醜くなることが。孤独に老いるかもしれないことが。
でもきっと大丈夫。不安は人にいろんなことを考えさせる。その分、賢く優しくなると信じよう。すーちゃんは言っている。<たくさん考えて/たくさん考えたおばあさんになるのだ>
ところで、昨夜のRと耽美者のカンヴァセーション・ピースというには余りにアホな会話。
「最近オシッコの前に目が覚めるんだよ、凄くない?」(R自慢げ)
「…はあ」
「間に合ってトイレに行けちゃうのさ、もう余裕」
「…キミいくつだ」
オネショしない自慢をカマす高校一年(留年)…。
とりあえず本人は自らの不始末をストレスだの精神疾患的(?)要因があるからだのとはでんでん思っていないらしい。うーん、キミは幸せなタイプかも、かも…。
ところで本日のニュース、作家の平野啓一郎とモデルの春香が結婚した、とゆうのにちょっと驚く。ええと、耽美者このクールビューティがスキなのだ…羨ましいぞ(平野啓一郎が)。そして、ちょっと釣り合いが良いよーな感じがする。少なくとも、むかあしツジヒトナリがやっと会えましたねかなんかアホなことを口走って誑かして結婚に持ち込んだナカヤマミホみたく可哀想な感じはしない(何か酷いコト口走ってますかしら?)。とゆうアップトゥデイトでコンテンポラリーなニュースも珠にライトしないとネ(ルー語耽美者変換)。
そんな週明け。
朝の通勤ウォーキン、小豆沢のうねうねした小道を傘をさして歩く。鴉も寒そうである。鴉と言えばだが、去年の五月頃やはりこの沢の道を歩いていた朝まだき、飛来した二羽の鴉に思い切り後ろ頭を(交互に、二度に亘って)蹴りつけられたことがあり、まったくフツーに歩いていただけであったので、鴉にまでわがヴァルネラルビリティは有効なのかと、自らの苛められっ子性に思いを馳せ思わずダークになってしまった耽美者なんであった。古川日出男の『サウンドトラック』を読んで以来、この存在に親和の気持ちすら抱いていたのに、このよーなふやけた愛は報われないのであろーかと哀しんだのである。しかし、本日配布の“さ*たま市便り”なんぞ読んでいたらば、「繁殖期の鴉の攻撃に気をつけましょう」なる告知があって、どーもコレは単に繁殖期に鴉の家の近くを無防備に通ったから、というだけのことで耽美者が標準装備している攻撃誘発性とは全く関係ナッスィングらしい。自然界の理を知らずして自らの感情を語るなという話ですね、ははは。お馬鹿さんな耽美者もひとつ学びました。
ところで、週明けの昼休みには会社で読むことにしている読売新聞の週末からのぶんを一気に読む。日曜日の紙面には書評欄があるので、まー仕事柄そこのところを重点的に読む(出版広告もチェックする)。読売の面白いところは、朝日なんかだと別カテゴリになっているコミックの書評が、書評欄に普通に取り上げられているところである。で、そんな書評。益田ミリの『結婚しなくていいですか。』(幻冬舎)…まあちょっとらしくなく(て、どういうのがらしいのか分からんが)昼休みのデスクでじーんとしてしまった。買ってしまいそう(書評のトラップに嵌っている)…。
うん、そうだな。そうだよねえ。なるべく夾雑物なく、加齢してゆきたいもんだけれど、と当年44になった耽美者も思う。今年35の同僚なんかはもっとクるだろう。抜けたかな、と思ったんだけれどちょっと春鬱の名残を引き摺る物憂い雨の週明けなのだった…。短いし、いい文章だと思うので全文引用。
地道な大人で、女の子で 3月30日付 読売新聞書評欄 書評:梯久美子(ノンフィクション作家)
少し前、若い女性歌手が「三十五歳を過ぎたら羊水が腐る」と発言して非難された。世の女性たちが怒ったのは、彼女の無知に対してではなく、「腐る」という表現に、歳をとると女は汚くなる、という若さゆえの傲慢(ごうまん)を感じとったからではないか。少なくとも私はそうだった。
この本の主人公・すーちゃんは三十五歳独身。カフェの店長で、一人暮らしだ。仕事は気に入っているし、地味だが楽しく生きている。そんな彼女がカフェの新メニューを試作しながら考える。おばあさんになっても外でおいしいものを食べたい。でもおしゃれなレストランは入りづらそう。キレイな格好していけば大丈夫かな。
そして、ふと疑問に思うのだ。どうして、特別キレイにして行かなければと思うんだろう。<歳をとることは汚くなること?/歳をとると人は不潔になるの?/コツコツ生きておばあさんになって/そしたら街には自分を歓迎してくれるレストランもカフェもないのなら>。すーちゃんはため息をつく。そんなの淋(さみ)しい、と。
三十歳以上の女性なら誰もが思い当たる、ささやかだが胸にしみるエピソードで構成されたマンガである。すーちゃんは地道に暮らすちゃんとした大人だけれど、心は女の子だ。今どきの独身女性は、女の子のまま三十代になり四十代になる。一人で老いる不安を抱きつつ、前向きに生きている、もう若くない女の子たち。
この本を電車の中で読んでいたら、涙が出て困った。花粉症のふりをしてティッシュを取り出しながら、ふと思った。あの女性歌手は、傲慢なのではなく、ただ怖かったのではないか。芸能人もOLも、若くても中年でも、女の子はみんな怖いのだ。歳をとって身体が衰え、醜くなることが。孤独に老いるかもしれないことが。
でもきっと大丈夫。不安は人にいろんなことを考えさせる。その分、賢く優しくなると信じよう。すーちゃんは言っている。<たくさん考えて/たくさん考えたおばあさんになるのだ>
結婚しなくていいですか。―すーちゃんの明日益田 ミリ幻冬舎このアイテムの詳細を見る |
ところで、昨夜のRと耽美者のカンヴァセーション・ピースというには余りにアホな会話。
「最近オシッコの前に目が覚めるんだよ、凄くない?」(R自慢げ)
「…はあ」
「間に合ってトイレに行けちゃうのさ、もう余裕」
「…キミいくつだ」
オネショしない自慢をカマす高校一年(留年)…。
とりあえず本人は自らの不始末をストレスだの精神疾患的(?)要因があるからだのとはでんでん思っていないらしい。うーん、キミは幸せなタイプかも、かも…。
ところで本日のニュース、作家の平野啓一郎とモデルの春香が結婚した、とゆうのにちょっと驚く。ええと、耽美者このクールビューティがスキなのだ…羨ましいぞ(平野啓一郎が)。そして、ちょっと釣り合いが良いよーな感じがする。少なくとも、むかあしツジヒトナリがやっと会えましたねかなんかアホなことを口走って誑かして結婚に持ち込んだナカヤマミホみたく可哀想な感じはしない(何か酷いコト口走ってますかしら?)。とゆうアップトゥデイトでコンテンポラリーなニュースも珠にライトしないとネ(ルー語耽美者変換)。