耽美者ドメスティック!

「生きること? んなこた下僕に任せておけ」と言ってみたい、貧乏耽美主義者の日々茫々録。

うたかたのオペラ/2009.11/歌誌 月光 №13(2009.12)

2010-04-04 18:46:06 | 短歌 journal 格納庫
(タイトル/制作期/発表媒体)
自分自身のためのログとして置く。
これらの朦朧体の歌たちが他者に触れることがあれば、更に歓びである。
これ以前のものは塩漬けサイトに格納してある。



うたかたのオペラ L`opera Fragile


わが額(ぬか)に斑の紋様刻みつつ秋のひかりは罰のごと降る

唇のかそけき顫え笑みとして 身も蓋もなき耳倍音を探せり

ラ・ヴィが斜め上を過ぎゆくと嘯けりとうに燃ゆる頬などなし

ピンク・シャンパンの泡口中に爆ぜ未生の愛も暗きに葬る

文弱のわたくしなれば皮膚のうえのことなど赦すも赦さぬもなし

愛と汚辱の境朧の月光に鏡文字なる「重力と恩寵」

快楽を担保せし躯失くしてオテル・リッツの夜のその後(のち)死せるムシュー・Kに
                     
糸杉は斜めに立ちて燃ゆ 火尖に群がれる蛾のごとき星

「美しきもの見し人は」薙ぎ払われて炎天にまぼろしの雪

海に百合地に塩撒けり 肉ひとつ差しいだすわれ浅き淵より

うたかたのオペラ(紙ジャケット仕様)
加藤和彦,加藤和彦,やすいかずみ
オーマガトキ

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