耽美者ドメスティック!

「生きること? んなこた下僕に任せておけ」と言ってみたい、貧乏耽美主義者の日々茫々録。

ダンス・マカブル/2009.6/歌誌 月光 №11(2009.7)

2010-04-04 18:15:30 | 短歌 journal 格納庫
(タイトル/制作期/発表媒体)
自分自身のためのログとして置く。
これらの朦朧体の歌たちが他者に触れることがあれば、更に歓びである。
これ以前のものは塩漬けサイトに格納してある。


ダンス・マカブル

盲人が夜の中に手をさしのべる。
       日々は過ぎる。       マリオ・ジャコメッティ

いとおしいただそれだけをうたうベースラインが時間を食い潰す

大陸に黒点を描き拡げおりさあ手をとり輪になって踊ろう

洋上より打電あり<鼠一匹逃亡セリ> 奔れ窮鼠よ

温き扇子の風おくるとき死よなまなまとインフルエンスせよ
 
灰色の緞帳払われて朝 新河岸大橋の塗りたてのさみどり

存在?の軽さ?うたうごと告解せり半陰陽の半疑問形語尾

ブティック<夭折>にて赤のコートなど纏いさて疫病のように生きる

伝染するもの転移するもの ダンサーみな病垂の帽子を被る

烏賊のはらわた指もて剥す 腐り易き魂は平熱にとどめ

黒く塗れ 腔(あな)より肛(あな)へ肉まつろわせカストラートは身を翻す

ぬるい水なぞ所望して青年はブルー・デニムに受肉せしとや

死児の眠りのように撓む背中に凭れおり <来よ、甘き十字架よ>

希望なる遅効性の毒巡らせて蚯蚓腫れした生を生きおる

<考える人>の陰茎直ぐに垂れおち 公衆便所は昏き口あく

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