耽美者ドメスティック!

「生きること? んなこた下僕に任せておけ」と言ってみたい、貧乏耽美主義者の日々茫々録。

赤く裂ける空/2009.9/歌誌 月光 №12(2009.11)/改稿

2010-04-04 18:26:12 | 短歌 journal 格納庫
(タイトル/制作期/発表媒体)
自分自身のためのログとして置く。
これらの朦朧体の歌たちが他者に触れることがあれば、更に歓びである。

これ以前のものは塩漬けサイトに格納してある。


赤く裂ける空

     ――せまいベッドの列車で天国旅行に行くんだよ
        The Yellow Monkey“天国旅行”

深海のような空に墜ちゆく月よ夜(よ)の網を曳きサルベージせよ

廻る すなわち祈りのかたち風孕む裳裾は真円にひらく

飾り窓の桟に凭れる男娼も赦されて雨のアムステルダム (Chet Baker)

ステルス爆撃戦闘機購いうるヤク一生(ひとよ)にて充填せしと

ヘロとコカ溶け合う辺土(リンボ)にチェック・インせり舌一枚のチェット・ベイカー

裸足でうたうおみなごよきみは様式として飢餓のからだをもつのか? (Cocco)

啜り咀嚼し嚥下するそのさきの闇 飲食(おんじき)はかなし夜の梔子

    ――タラスコンやルーアンへ行くのに汽車に乗るというのであれば、
      星へ行くには死に乗ればいい。
           (ゴッホ 弟テオへの書簡 酒井健・訳)

何もいらない花だから揺れている蕾 外がわへ捲れながら

一茎の管(チューヴ)肉に抱かれてサラバンドの拍に刻まれており

かはたれに肉ひとつだけ提げてゆく死んでもいい死んでもいいああ



SICKS
THE YELLOW MONKEY,吉井和哉
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チェット・ベイカー・シングス
チェット・ベイカー,ラス・フリーマン
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