イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

カラバッジョの作品スペインで発見!?

2011年06月13日 21時42分21秒 | イタリア・美術

アート関係だけのブログを作りたい・・・と思いながらも全然実行できずにおります。
普段のおちゃらけた、愚痴ばかりのこちらとはちょっと離して、まじめにお話したいんですけどねぇ。
なかなか、どこで始めよう、なんてことに惑わされて、結局決断できずにいる昨今です。
ということで今日も懲りずにここに書いてしまうわけです。

6月12日、Il sole 24oreという新聞にこんな記事が載りました。(朝のニュースでも話題に上っておりましたが)
Guardate,c'e' un nuovo Caravaggio.
見てみて、新しいカラバッジョだよ。(軽すぎますかね?)

いや、要は新しいカラバッジョの作品が見つかったという記事。
Il sore 24oreとは、日本経済新聞のような経済に強い、いたってまじめな新聞。
以前から私も時々買っていますが(経済には全く興味はないので、ほぼ無駄なんですけど)日曜版の美術の特集記事が着いてくる。
こちらは業界(?)でも非常に信憑性があることで知られていて、まぁここに載るということはゴシップではなく、
ある程度の裏づけがあると正式に認められたと考えられている。

で、そこに4ページを割いて載ったのがこちら

Sant'Agostino
現在はスペインのある人のプライベートコレクションだそうです。
個人的にCaravaggioはあまり好きではないのですが、この事件(?)自体は非常に面白い。

この作品自体1638年Vincenzo Giustinianiコレクションに加わっていた。
300点の絵画のコレクションのうち、15点がカラバッジョの作品、特に作品数の少ない彼の作品をそんなの保有していたのか、というだけでも驚きだ。
この人はローマ在住の金持ち美術収集家でした。(こういう言い方は身も蓋もないか?)
で、19世紀このコレクションがバラバラになってしまったわけです。
それが今回この作品の裏に書かれた<Procedencia del Marque's Recanelli en la calle gobierno>
これがmarchese(侯爵)Pantaleo Vincenzo Giustiniani RecanelliつまりこのVincenzo Giustinianiの正式な遺産相続人の作品だったことを物語っている。

更にX線検査により、カラバッジョ独自の特徴や、18世紀当時このGiustinianiのコレクションの多くの修復を手がけていたMargerita Berniniの手法を読み取ることが出来る。

などなど詳しいことはこちらの記事・・・では分からないね。
よかった新聞買って。

数年前、Michelangeloの作品と言われたキリスト磔像を見たときは、全く信用できなかったけど(実物を見たら更に)
今回はより信憑性がありそう。
まぁ何せ、このカラバッジョという人は本当にすべてがミステリアスな人。
作品の好き嫌いは抜きにして、本当に世間を騒がせてくれます。

そういえば先日ミラノに行ったとき偶然見つけたポスターを見て、急遽予定を変更して見に行ったこちら

なぜかこのポスターのMedusa(メドゥーサ)がなかった。
変だなぁ・・・とは思っていたものの、気にせずにいたら、数日後買った雑誌に。
Madusa sparita
(メドゥーサがいなくなった)と書いてあった。

記事にはこのMostraには3点のカラバッジョの作品が出展される予定だった。
しかし、ふたを開けたらil riposo durante la fuga in Egitto(Galleria Doria Pamphilij所蔵)はやって来ず、
Madusa Murtola(Uffizi所蔵)は会期の途中でいきなり持ち去られたらしく
結局Flagellazione(Museo Capodimonte)だけが展示されている。

個人的にはこの作品が見たかったので良いのだが(fuga in Egittoはたまたま見ちゃいました、Romaで)
まぁなんともお粗末なお話。
とにかくカラバッジョは今一番お客さんを集められる作家の1人ですからねぇ・・・

Sant'Agostino本物だったら、世紀の大発見になること間違いなし。



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