イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

LCC(ライアンエアー)の悪夢

2016年03月20日 23時13分33秒 | イタリア・生活

何故か私今家にいます。
本来なら、今頃スペインバルでタパス食い倒れ〜だったのに。

体調を崩したわけでも、飛行機に乗り遅れたわけでもありません。
悪評高きライアンエアーの実態見たり…
くそ~やられた。

ヨーロッパでは格安航空券で特に有名なライアンエアー。
先日も友人がイビザ島まで20ユーロとかいうチケットを買ったと言っていましたが、
時期を選べば本当に安いんです。
まぁ、難は色々あります。
荷物制限が厳しかったり(今は昔ほどではないですが)、とにかく省いて省いているので、何か1つ忘れよう、ルール違反しようものなら罰金です。
先日もそうだったけど、満席近いし、席の幅なんて、少し太っていたり、足が長かったら、はまって動けない感じ。
機内販売も手を変え品を変え、先日のロンドンまでの2時間だって、何種類のものを売って歩いていたことやら…

今日実はピサからセビリアに行く予定だったんです。
いや、ピサの搭乗ゲートの前までは行ったんです。
時刻は搭乗時間頃でした、なかなか開かないなぁと思っていっるとどこからともなく不吉なアナウンスが。
それはフェズ行きの飛行機のきなりのキャンセルを知らせるものでした。
これを聞いた時は「私達のじゃなくて良かったね」って周りは言っていたんです。
ところがその放送から5分もしないうち、私の前にいた男性が血相を変えて、「この便(セビリア行き)もキャンセルになった」とメールを見ながらつぶやいたんです。
何、嘘でしょう?と思った直後
「セビリア行きはストライキの為キャンセルになったので、乗客は速やかに(言ってない)窓口に行くように」とアナウンスが。

悪夢です。
天候不良とかならまだ許せるけど、ここにきてストライキって何物?意味わからないんですけど!!
飛行機の姿もないし…

ここから始まる地獄絵図。
何か有った時に、キチンと整列出来る国民って日本人以外いませんよ。
何でどうにもならないのにヒステリーになる人とか、喚く人がこんなにいるんですかね。
窓口に向かう人たちはただただ洪水のように右往左往。
横入りしたり、されたり。とにかく窓口に近づくのにひと苦労。

手続きが済んだ人の話から、今日セビリアに着く手段は皆無。(セビリア行きは週一本日曜のみ)マドリード行きが今晩あるけど、着くのは夜中。
更に追加料金約300ユーロ!?などなど情報は入り乱れ、もうこれは払い戻しだろうなぁともう諦めていました。
幸い「帰る」わけではないので、無理していく必要がないわけです。

周りの人は「これは4時間はかかる」「0時までここかしら」などと恐ろしいことを言っていましたが、何とか1時間強で窓口にたどり着く事ができました。
でも結局↑しか方法なし。
と言う事でもう仕方がない、泣く泣くですがキャンセルです。
く~アンダルシアはここ数年で一番行きたい場所だったのに…

いやいや、それにしてもセビリアに帰る人たちは必死。
スペイン人の高校生の団体もいましたよ。
まぁ動いているのは引率している先生なんでしょうね。
子供たちはチケット売り場の前の床に座り混んでいました。
これだけの人数を乗せる飛行機は…難しいでしょうね。
大体別の飛行機会社に振り替えたら最低でも300€。
更にPasqua(復活祭前)で予約はほぼ完売、そして高値ですからねぇ。
私の直前にいたスペイン人は明日ローマからヴァレンシアへ行く便を取れたらしいけど、追加料金200ユーロ超。
更に今晩の宿、ローマまでの移動費は自腹だそうです。
これがLCC。

聞いてはいたけどここまでひどいとは…
昔大雪でドイツに3日足止めされた時のこと思い出しました。
あの時もまさに同じ状況。
あの時、心からルフトハンザで予約して良かったと思ったんですが。
正規の航空会社ならグループの飛行機会社に振り替えてくれるし、ホテルも4つ星でしたからねぇ。
昔昔アリタリアのストが有った時も、3つ星のホテルで翌日の便に無料で振り替えてくれましたからね。
あのアリタリアですら…

結局私の無駄な出費は
今晩のホテル代:50ユーロ
明日のホテル代:40ユーロ
最終日のホテルが返金不可で:65ユーロ
それにアルハンブラ宮殿を予約するために買ったグラナダカードの33.5ユーロ
トータル200€弱
それが無常に持っていかれてしまいました。
でも+300€払って、マドリッドまで行ってそこから自腹でコルドバに行く…というのはちょっとねぇ。

ということで絶望感満載で帰路につくと、ホント踏んだり蹴ったり。
帰りのフィレンツェ行では今日予約したバスのチケットが使えない、ということで買い直し。
これは払い戻しはできないけど、クーポンの状態かなんかにしてくれると思うと係のお兄さん。
いやいや、これがイタリア以外の国だったらと思うと怖いです。
良かった、イタリア語は分かって。

バスが発信したのが18時半。
そこから再び悪夢…こっちは軽いですが。
Pisa-Firenzeの高速で事故が有ったらしく、運転手はPistoiaを通る遠回りを選択したらしいんだけど
その高速も混んでるのなんのって。
途中で運転手はしきりとなく電話をしていて、来ていると
このバスが定刻にフィレンツェにつけないから、別のバスを出してくれ、というような連絡でした。

渋滞しているのは仕方がない。
雨も結構降ってる。あ~あ今日はなんて一日だよ。
と思っていたんです。
するとようやくIKEAが見えて、ああフィレンツェに戻ってきたなぁ、と思った矢先、バスがガソリンスタンドに停車したんです。
ん?何で今ガソリン入れるの?
大体なんで仕事始まる時に確認しないの?
お客さんおろしてから入れればいいんじゃないの?
なんなのよ~と思っていたんです。
そして何とかガソリン入れ終えて、走り出したバス。
しばらくすると電話でまた何か言っています。
何でも「お客さんおろしたら、その足ですぐPisaに戻るよ。」そうしなきゃ次の便に間に合わないそうです。

なんかここでちょっと運転手に同情。
何度Pisa-Firenzeを往復しているのかは分かりませんが、彼らも大変なんだな、と。
そうか、時間がないから(中心部にはガソリンスタンドないし)先にガソリン入れたのね。
とちょっと許せる気がしました。

今日の学習
安さで選ぶLCC。何も起こらなければ安くていいが、何か起こった時の痛手は激しい。
それでもあなたはLCCを選びますか? 

イタリアに来て10数年、どんなことも勉強だから仕方がない。
これも勉強代と我慢してきましたが、今回はさすがに許せない。
でもこの恨み、どこにぶつけたら良いのかも分からない…
まぁ所詮は運が悪かった&アンダルシアには縁がなかったということで…く~ 
いやいや、絶対リベンジしてやる。
今度はまともな飛行機で… 



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2 コメント

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Unknown (はな)
2019-08-12 08:16:48
このケースだと保証金をもらえるのでは?

https://ca-voir.com/eu-flight-cancel-passengers-rights-jp/
有益な情報をありがとうございます。 (fontana)
2019-08-12 13:29:42
はなさん
コメントありがとうございます。
参考サイトの情報ありがとうございます。
保証金が出ることは知りませんでしたが、この時はフランスの管制官のストライキの影響による欠航だったため、「航空会社から支払いが拒否されるケース」に該当し、保証金をもらうことは出来ないと思います。

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