蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

「ミシュラン」の蕎麦店の評価は?

2008-12-05 | 食・旅

「ミシュラン」では、蕎麦店の最も高い評価は星1つで、「翁」、「古拙」、「六本木 竹やぶ」、「ほそ川」の4店を選定している。私は「翁」を除く3店の蕎麦を食べた。

「ミシュラン」は星数の基準を「素材の質、料理の技術とセンス、風味の調和と明快さ、献立のバランスなど・・・」と謳っている。
あくまでも蕎麦店の中心はせいろ蕎麦であるので、この基準をせいろ蕎麦にあてはめて考えれば、蕎麦の良し悪しが正しく判断できると私も思う。しかし、私が食べた3店の蕎麦は、今迄書いたように「ミシュラン」の基準から大きく隔たっているように思われる(「ほそ川」は昨年書いた)。なぜこうしたことが起きるのか私にはわからないが、少なくとも選定基準と選定された蕎麦店は一致していない。

私は、「ミシュラン」の蕎麦店の選定は、蕎麦そのものよりも料理店志向の強い店に傾いているように感じられる。それは、星のついた店を訪れれば、さらにそのメニューを見れば明瞭である。また、「ほそ川」は、埼玉の吉川町から東京に移転してきた。その理由は、私には真偽のほどは判らないが、築地に近く新鮮なネタが入るからだといわれる。蕎麦店ならば、良い玄ソバを求めてその産地に移転していくのが理にかなっているのではないか。「ふじおか」が三重から黒姫に、「慈久庵」が東京から茨城に移ったように・・・。なぜ間違った方向に進んでいるそば店を選ぶのだろうか。

料理店的志向が強いという3つ目の理由は、「ミシュラン」に掲載されている「竹やぶ」の写真である。蕎麦店「竹やぶ」を紹介する写真に、蕎麦の写真ではなくなぜ天ぷらのそれを使うのか。些細なことに思われるこの一点が、「ミシュラン」がどちらの方向に目が向いているかを如実に物語っている。「ミシュラン」が選ぶ蕎麦店は「和食」の範疇にでもいれたらどうだろうか。

私は、せいろ蕎麦の良し悪しで蕎麦店の評価をすべきであると考える。「ミシュラン」のような権威ある食に関する案内書の評価は絶大である。確かな「舌」をすでに持っている人は別であるが、蕎麦の初心者や外国の人にとっては「ミシュラン」は誤った導きの書になるのではないかと私は恐れる。


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