花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

紅葉と果実(4)

2022-11-15 | 植物 花

今日は、「タイワンフウ」と「モミジバフウ」を挙げてみます。

 

「タイワンフウ」(台湾楓)と北アメリカ原産の「モミジバフウ」(紅葉葉楓)が混在する街中の「フウ」の並木です。

葉の形や紅葉することで、「カエデ」と混同しがちですが

「フウ」は、フウ(マンサク)科、「カエデ」は、カエデ科ですので違う植物なのが解ります。

漢字表記の「諷」を音読みすると「フウ」、訓読みすると「カエデ」ですので混同します。

「フウ」(楓)と「カエデ」(楓)の一番の違いは、実の形で区別できます。

「フウ」の果実は、トゲトゲの球状の集合果ですが、「カエデ」の実は

プロペラ状の羽が付いた翼果の違いが有ります。

フウ(マンサク)科、 フウ属、落葉高木、雌雄同株、台湾、中国原産

学名   Liquidambar formosana、英名   Formosa sweetgum、Chinese sweetgum

別名 「サンカクバフウ」(三角葉楓)、「イガカエデ」(伊賀楓)等々、学名の   Liquidambar は、“液体” の意味とか

香料や薬用にした由来から、Formosana  は、原産地の 台湾 からとか

「モミジバフウ」  L.styraciflua別名 「アメリカフウ」は、「モミジ」の葉の様に5~7裂の掌状の葉を着けます。

「モミジバ」(もみじ葉)の名前の由来との由、花は、4月頃に葉が出ると同時に、総状花序をだして

雄花、雌花を同株にさかせます、目立たない花です。

 

<「楓」の街路樹の様子を過去の記事にも載せました gif 画像を下に再度載せてみました>

山の「カエデ」の大木も紅葉しています、鮮やかです、初冬の陽を透かして彩ります。

三裂し着ける着けるが、「タイワンフウ」で、五裂した葉が、「アメリカフウ」、別名「モミジバフウ」の葉です。

「モミジ」の葉に似た葉を着けるので、「モミジバフウ」の名前が、付いた由。

下図は、「タイワンフウ」(台湾楓)と「モミジバフウ/アメリカフウ」(紅葉葉楓)の葉と実です。

<「タイワンフウ」の葉と実>

<「モミジバフウ」の葉と実>

「タイワンフウ」の実(上図)も「モミジバフウ」の実(下図)もよく似ています、棘棘の金平糖の様な姿です。

葉の切り込みが、3裂か5裂かで区別出来ます。


 

因みに、「カエデ」(楓)の実は、下図の様な翼果です、風に乗ってクルクルと舞え落ちます。

葉は、「台湾楓」の葉に似ています。

公園の「紅葉楓」も紅葉しています、ベンチの日溜りが格好の休憩場所です。

 

 

「カエデ」や「モミジ」の紅葉も綺麗ですが、「クヌギ」の黄葉も見事です。

緑の「松」とのコントラスト絶妙です。


紅葉と果実(3)

2022-11-13 | 植物 花

今日は、「ナンキンハゼ」南櫨櫨と「ハゼノキ」 櫨の木の紅葉です。

最初は、「ナンキンハゼ」の紅葉です。

<「ナンキンハゼ」>

街路樹や公園で、赤や黄色の葉が舞え落ちる様子は、素晴らしいものです。

葉の形は、“三角状広卵形” 、晩秋の陽の光を受けて、ヒラヒラと舞い落ちます。

秋には、黒く実が熟して裂け、白い三個の種子が現れます。

「ハゼ」(櫨)の実と同様、蝋の原料とした由

トウダイグサ科、ナンキンハゼ属、落葉高木、中国原産、学名 Triadica sebifera

英名 Chinese tallow tree 、将に<蝋燭の木>です

別名「トウハゼ」、「カンテラノキ」とか

 

落葉が、モザイク模様になって地面を覆います。





紅葉する前に、白い種子が、弾けます。

 

次の紅葉は、、「ハゼノキ」の濃い赤色です、落葉が、始っています。

<「ハゼノキ」>

サトウハチロウ作詩<小さい秋みつけた>に詠われてる「ハゼノキ」(櫨の木)の紅葉です。

<小さい秋みつけた>の中に

風見の鶏の ぼやけたとさかに はぜの葉 ひとつ はぜの葉赤くて 入り日色

と詠まれています、赤くて入り日色なのです。

日本原産の「ヤマハゼ」(山櫨)に似ていますが、葉の裏表や茎に細かい毛が生えていているのが「ヤマハゼ」で

無毛で薄いのが、「ハゼノキ」なので、区別可能です、亦、「ウルシ」にも似ていますが

葉の先端が、尖っているのが「ハゼノキ」で、丸味を帯びているのが「ウルシ」です。

ウルシ科、ウルシ属、落葉高木、東南アジア原産、雌雄異株、学名  Toxicodendrum succedaneum

英名 Wax tree (実から木蝋)を採ったことからとか

別名 「リュウキュウハゼ」、「ロウノキ」、「トウハゼ」、「ハゼ」

 

童謡、サトウ ハチロウ作詩<小さい秋みつけた>の歌詞 に載っている「ハゼノキ」の葉の紅葉です。

(三) 誰かさんが 誰かさんが 誰かさんが みつけた

小さい秋 小さい秋 小さい秋 みつけた

昔の 昔の 風見の鳥の ぼやけたとさかに

はぜの葉 ひとつ はぜの葉赤くて 入り日色

赤くて入陽色なのです。

 



「ウルシ」の葉に似てますが、先端が尖っているので区別が、可能です。

下図は、入り陽色、夕焼けです。

 

過去に載せた記事の再掲載です、「ジュウガツザクラ」を載せてます。

キク科の花(2)
 
”冬に咲く「桜」”、「十月桜」Cerasum × subhirtella cv. Autumnalis と 「ヒマラヤザクラ」Prumus Cerasoides です。春の......

紅葉と赤い果実(2)

2022-11-10 | 植物 花

今日の紅葉は、「ハナノキ」と「ニッサボク」の2種です、紅葉としては、有名ではないのですが

極彩色より淡い色合いを愛でます、濃淡の妙を楽しみましょう。

<「ハナノlキ」花の木>

 葉が展開する前に樹木全体が、濃い紅色の花で一杯になるので、この名前が付いたとのこと

葉が出る前に花が咲き、”花” の印象が、更に強いので、このことも名前の由来とも思われます。

カエデ科なので、紅葉は、素晴らしいものです。

「ハナノキ」の名前は、「シキミ」(樒) Illicium anisatum  にも付いていますが、別の植物です。

「カエデ」の仲間ですので、花後に翼果を着けます、街路樹として多く植栽されています。

雌雄異株で、雄花の花序は、束になって上向きに咲きます、雌花の花柄は、下垂します。

カエデ科、カエデ属、落葉高木、、学名   Acer pycnathum  

亀吉

<「アメリカハナノキ」>

「ハナノキ」は、日本の固有種とのことですが、近縁種に葉が、「ハナノキ」より葉が大きくて

深く3~5裂する、北アメリカ原産の「アメリカハナノキ」も有ります。

遠く離れた北アメリカと日本で、同じ様な樹木が育っているのが不思議です。

アメリカ、カナダ原産、学名 Acer  rubrum  、英名  Red maple、scarlet maple別名「ハナカエデ」(花楓)

下図の「アメリカハナノキ」の葉は、日本原産の「ハナノキ」の葉より、縁に切込みが深い違いが

 下図は、名前の由来になった 葉が出る前に咲く雄花です。

 

 下図は、<雌花>                                                                実は、カエデ科特有の翼果です。

次は、「ニッサボク」の紅葉です、主に植物園等で見ることが、出来ます。

”世界三大紅葉” の一つとのことす。

色彩は、他の紅葉には少し劣りますが、見応え充分です、4から5月頃に「ヌマミズキ」に似た黄緑色の小さな花を咲かせます。

散房花序に花弁が無い花を着けます、実は、秋に楕円形の青い核果を数個稔らせます。

ミズキ科、」ヌマミズキ属、落葉高木、中国原産、学名  Nyssa sinensis   、英名   Chinese tupelo



花(左図)と果実(右図)です。


紅葉と赤い果実(1)

2022-11-09 | 植物 花

木々の葉の色付きが鮮やかになってきました、「ツリバナ」、「スズランノキ」、「ニシキギ」

「マユミ」、「ニッサボク」、「ハナノキ」、「フウ」等々の紅葉と

其の紅葉に負けない位に色着いた果実を挙げてみます。

今回は、「ツリバナ」、「スズランノキ」、「ニシキギ」の3種にして、次回に順次、残りを挙げる予定です。

<「ツリバナ」>

「ツリバナ」は、葉の紅葉より果実の色が一段と鮮やかで、特に種子が、赤く照り輝きます。

長い柄が在る花序に、初夏の頃、淡い紫や緑色の小さな花を咲かせます。

秋に、実の果皮が裂けて、赤い種子が長い柄に吊り下がります、「吊花」の由来のようです。   

ニシキギ科、ニシキギ属、落葉低木、日本、中国、朝鮮半島に弁婦、学名     Euonymus oxyphyllus


次も紅葉で有名な「スズランノキ」<鈴蘭の木>です。

<「スズランノキ」>

三大紅葉の他の一つは、通称「スズランノキ」の紅葉です、長楕円形の葉が鮮やかな赤色です。

円錐花序に「スズラン」に似た花を咲かせます。

ツヅジ科、オクシデンドルム属、北アメリカ原産、落葉高木、学名 Oxydendrum arboreum

落葉小低木、英名 sorrel tree

“通称” 「スズランノキ」としましたが、「ゼノビア」も、同じく「スズランノキ」と称しますので

「ゼノビア」も確かに「スズラン」に似た鐘型の白い花を咲かせます。

ツヅジ科、ゼノビア属、学名 Zenobia pulverrulenta 、英名 honey cup で別種とのこと

 

Cimg39572Cimg39612

 

5月頃から10月の頃に懸けて「スズラン」に似た釣鐘型の花を連なって咲かせます。

 

<「ニシキギ」>

「ニシキギ」(錦木)も紅葉と同様に、裂けた果皮から下垂する赤い種子も綺麗です。

茎には、コルク状の “翼” が付きます、他のニシキギ科の植物との違いです。

初夏の頃に、淡い緑色の4弁花を咲かせますが、小さいので見栄えがイマイチです。

ニシキギ科、ニシキギ属、耐寒性落葉低木、日本、中国、学名    Euonymus alatus 、英名    Burningbush

別名 「ヤハズニシキギ」(矢筈錦木), 枝に付く “翼” が弓矢の羽(矢筈)に似ているからとか

「ニシキギ」以外のニシキギ科には、「マサキ」、「ツリバナ」

「マユミ」、「ツルウメモドキ」等が有ります。

紅葉と赤い実を愛でる植物ばかりです。

枝に羽根(翼)が、着くので「矢筈錦木」の別名も

果実は、赤く艶やかに熟します、ルビーの輝きです。


下図は、葉も実も「ニシキギ」に似た「コマユミ」(小真弓)、枝に 翼が無いので区別できます。

 

「フウ」の並木も紅葉しています、市街地には、珍しい喉かな光景です。


初冬のピンク色

2022-11-07 | 植物 花

此の時季に、明るいピンク色が、チョッピリ暖かさを醸し出します、「コルチカム」と「ルクリア」の花色です。

<「コルチカム」

ユリ科の「サフラン」や「クロッカス」に似た花を咲かせます。

60種位の原種が在る中から、園芸種が多く作出されているようですが

基本種は、「イヌサフラン」の名前の「コルチカム・オータムナーレ」種  Colchicum autumnale

と「コルチカム・スペシオサム」種  C.speciosum とのこと、一重が主ですが、八重咲きの花も

亦、花色は、ピンク、藤色が主ですが、白色、黄色も有ります。

春に披針形の葉を出しますが、夏には枯渇して無くなり、秋に球根から蕾を出して花を咲かせます。

花後の春に葉葉をつけるわけです、故に ’Naked Lady’ の愛称が、付いています。

似た花で同じ秋に咲く「サフラン」、春に咲く「クロッカス」との違いは

「コルチカム」は、ユリ科、「サフラン」、「クロッカス」は、アヤメ科

「コルチカム」は、花と葉が同時に着かない、「クロッカス」は、糸状の長い赤い雌蘂が目立ちます。

「コルチカム」の名前は、原産地のアルメニアの古代都市<コルキス Colchis に由来するとか

イヌサフラン(ユリ)科、イヌサフラン(コルチカム)属、耐寒性球根

ヨーロッパ、北アフリカ、地中海沿に自生、学名 Colchicum Hybrids英名 Autum crocus、Meadow saffron

別名「イヌサフラン」、「オータム・リリー」、「オータム・クロッカス」等々


八重や白色の品種も


「ルクリア」もピンクの花を咲かせてきました、冬の ”「桜」” です。

<「ルクリア」>

露地では、11月の頃が開花期の終りを向かいますが、冬、室内で充分に栽育可能です。

淡いピンク色の花弁と、香しい香りが、寒い冬に暖い贈り物です。

香りが有り、ピンク色が「桜」のイメージで、アッサム地方原産なので、流通名が「アッサムニオイザクラ」とか

勿論、「桜」ではないのですが、花が、長く咲くので ”散らない桜”  の異名も付いています。

花弁は、五弁で、20輪位が球状に着けます。

園芸種も多いようで、花色は、白、ピンク、濃いピンク色が有ります。

アカネ科、ルクリア属、半耐寒性常緑低木、ヒマラヤ、中国原産

学名    Luculia pinceana、、別名「ルクリア・ピンセアナ」

亀吉