花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

ユリ(ネギ)科「アリウム」の花(2)

2022-06-22 | 植物 花

今回の「アリウム」の花(2)として、「アリウム・オレオフィルム」、「アリウム・ペンデュリナム」を挙げます。

「アリウム」の中でも、余り、馴染みが無い花達ですので、今回は、簡単な案内で終わります。

 

<「アリウム・オレオフィルム」>

アリウム属の花は、全体で視ると各々違った印象を与えますが、1個、1個 の花の姿を視ると、確かに似ています。

葉が、線状で長く、根本からロゼット状に広がります。

草丈は低く、約20cm位、茎上に10から15個の小さな花を咲かせます。

花弁の中心線に濃いピンク色の筋が、入るのも、花を引き立てる要素になっています。

葉や茎が、ニンニク臭がするのも此の属の特徴です。

ユリ / ネギ科、ネギ属、耐寒性球根、中央アジア、コーカサス地方原産、学名  Allium oreophilum、英名  Pink lily leek


 

次は、「アリウム・ペンデュリナム」です、ベル形の白色の花で、涼しげな花です。

<「アリウム・ペンデュリナム / アリウム・トリクエトルム」>

白い花弁が6枚、淡い緑色の筋が入り、一層の涼味を醸し出します。

花茎には、3本の<稜>が在り、断面が三角形になり、別名「三角葱」の名前の由来です。

草丈も30cm~60cmと、比較的高い背丈です。

西洋では、ハーブの1種として、食用にする由、葉や茎は、「ネギ」の香りがします。

ユリ科=ネギ科、ネギ属、耐寒性球根、地中海沿岸原産、学名  Allium pendulinum=Allium triquetrum

英名    White flowered onion、Angled onion、Three cornered leek,別名「三角葱」

 

最後は、「アリウム・シクルム」です、最近は、「ネクタロスコルドム・シクルム」と変名したとのことですが

「アリウム・シクルム」の名前は、今でも多く流通名として使われます。

<「アリウム・シクルム」>

花の形が素晴らしく、花色が、複色なのも、一層、美しさを引き立てます。

葉や茎を揉むとネギの香りがするのも、上に載せた「アリウム」と同じです。

花径は、2cm位、草丈 30~60cm位になります。

ユリ(ネギ)科、ネクタロスコルドム属、耐寒性球根、トルコ、ブルガリア原産

学名    Allium siculum=Nectaroscordum siculum



ユリ科「アリウム」の花(1)

2022-06-18 | 植物 花

今、ユリ科の「アリウム」が、最盛期を迎えます、3種挙げてみました。

「アリウム・ギガンテウム」、「アリウム・クリストフィー」、「アリウム・スコエノプラスム」です。

最初は、最盛期も終わりに近い、大きな “葱坊主” 、「アリウム・ギガンテウム(ギガンチウム)」です。

アリウム属の「ニンニク」や「ネギ」の仲間で、400種位の品種が有る由

長い花茎を伸ばした先端に紅紫色の小さな花が集合して咲かせ球状の花序を作ります。

球状の花序の径は、10~20cm位になり、アザミ属の「ルリタマアザミ」瑠璃玉薊薊に似ています。

ユリ(ネギ)科、ネギ属、耐寒性球根、中央アジア、ヒマラヤ地方原産、学名   Allium giganteum別名 「ハナネギ」(花葱)

ラテン語で学名の   Allium giganteum  は、“巨大なニンニク” の意味とか ・ ・ ・ 納得です。

「アリウム」の仲間には、「ニンニク」、「ネギ」、「タマネギ」等々身近な野菜が有ります。

 




次は、イングリッシュ ガーデン などでは、お馴染みの「アリウム・クリストフィー」の花です。

上に載せた「アリウム・ギガンテウム」と同様に散形化序をだして、多数の紫色の星型の花を咲かせ、球状の集合花になります。

紫色の花は、灰緑色の葉とよくマッチします。

花の姿は、よく似ていますが、星型の花弁が、「アリウム・ギガンテウム」より密集せず

球状の花序も疎らで、多少、”崩れた球状” です。

花序径  10cm~20cm 、草丈  15~40cm

ユリ(ネギ)科、ネギ属、耐寒性球根、トルコ、イラン原産、学名  Allium christophii

英名  Ornamental onion 、Stars of Persia





 

「ネギ」や「アサツキ」に似て食材になる「チャイブ」(「アリウム・スコエノプラスム)も「アリウム」の一種です。

紫色の小さな花が球状に集合しますので観賞用にも十分です。

<「チャイブ」>

ユリ(ネギ)科、ネギ属、耐寒性球根、ヨーロッパ、地中海沿岸原産、学名   Allium schoenoprasum 、英名 Chives

別名 「セイヨウアサツキ」(西洋浅葱)、「エゾネギ」(蝦夷葱)

日本原産の「アサツキ」  A.schoenoprasum var.foliosum   も「チャイブ」の一変種とか


此の時季のキンポウゲ科の花には

2022-06-16 | 植物 花

梅雨の季節に入りました、カエルも雨傘を差す位、雨が続きます。

                                                                    <  photo by Penkdix Palme >               

今、キンポゲ科の 「クレマチス」、「ニゲラ」の花が、盛りです。

初夏のキンポウゲ科の花と言えば、先ずは、「クレマチス」  Clemtis Hybrids  が、挙げられます。

世界中に多くの種が有る「クレマチス」ですが、今回は、ベル型の花を咲かせるインテグリフォ系

「クレマチス・ ’ 篭口(ロウグチ)’」を挙げてみます。

<「クレマチス  ’ロウグチ’」>

初夏の風景に、涼感をプラスします、「クレマチス ’ロウグチ’」の青紫色の花です。

下向きに咲く瑠璃色の釣鐘型の花です、先端が外側に反り返る姿に趣が有ります。

名前の<篭口>の “篭” とは、<かご>とか<ざる>のこととか

花の開き具合が “篭の口” なのでしょうか、篭の種類を調べると<達磨篭>と称する似ている篭が有りました。

此の篭は、多少似ていますので、此の篭が名前の由来かと

白と青紫色のコントラストが綺麗な釣鐘型の花です、

キンポウゲ科、センニンソウ(クレマチス)属、耐寒性蔓性多年草本、日本で作出した交配種とのこと

学名     Clematis integrifolia 'Rooguchi'、別名「ベルテッセン」

 ” 春咲きの「クレマチス」”「クレマチス・モンタナ」も 此の時季でも、未だ、咲き続けます。

<「クレマチス・モンタナ」>

白や淡いピンク色の4弁の花で、花径が、約4cm位、花弁の先端が丸くて可憐 な花です。

花心が、黄色でバニラの様な香りがします。

旧枝咲き(2年目の枝から伸びた枝に花を咲かせる)で春のみ花を咲かせる一季咲きで、モンタナ系に入ります。

キンポウゲ科、クレマチス属、耐寒性多年草、蔓性、中国、ヒマラヤ、パキスタンに自生

学名   Clematis montana

開花期が長い パテンス系 < Patens Group  >の「クレマチス」別名「テッセン/鉄線」等とは、違った趣が

次のキンポウゲ科の花は、「ニゲラ」(クロタネソウ)です

<「ニゲラ」>

細い糸状の葉が、繊細な感じです、茎の先端に一輪花を咲かせます。

花弁に見えるのは、萼片で、白、青、ピンク色等の色が有ります、花弁は、退化しています。

「ニゲラ」の仲間は、南ヨーロッパ、西アジアに10種以上分布しているようですが

一般には、「ニゲラ・ダマスケナ」が一番多く普及しているようです。

キンポゲ科、ニゲラ(クロタネソウ)属、耐寒性一年草、学名 Nigella damascena

英名 は、面白いもので、Love in a mist  ”霧の中の恋人” 糸状の葉に包まれた花を著したとか

他には、Devil in a bush ”茂みの中の悪魔”  果実の頭に角の様な突起を著したとのこと

別名「クロタネソウ」(黒種草)果実の色から採った様です。


花弁の光芒が、宝石、ダイヤモンド、エメラルドの輝きです。

下図は、ルビーかな

最後に、同じキンポウゲ科の「デルフィニウム」Delphinium hybridum の 花に似た、小鳥が、飛ぶ姿の様な形の花

「ラークスパー」もキンポウゲ科の花です。

以前は、「デルフィニウム」と同じ属でしたので、花の雰囲気は似ています。

花弁の様な苞<蕾を包んだ葉が変化したもの>は、5枚、中心に2枚の花弁が在ります。

苞の裏側から長い筒状のもの<距/キョ/ヒズメ>が、伸び出ます、此れが英名の   Lark's spur =雲雀の蹄

の由来とか、葉は、糸状なので「デルフィニウム」の広葉と違って判別できます。

キンポウゲ科、ヒエンソウ属、耐寒性一年草、南ヨーロッパ原産、学名  Consolida ajacis ,別名「チドリソウ」

花弁の裏から伸びる 苞 が、名前の由来の ”雲雀の蹄” 「ラークスバー」とか


マメ科の花(5)

2022-06-14 | 植物 花

今日は、マメ科の花として、「ミヤコグサ」、「クサフジ」、「ムラサキセンダイハギ」の花です。

<「ミヤコグサ」>

 

 「ミヤコグサ」(都草)の花が、咲いています、”道端の黄色い花” です。

 

 

名前の由来に興味が湧きますが、其の(1)京の都、奈良の都の近くに

多く生えていたから、其の(2)漢名のの「脈根草」(ミャッコングサ)が

訛って「ミヤコグサ」になったからとか等、諸説が有るようです。

マメ科特有の蝶型の黄色い花が、咲き広がります。

葉は、五枚、奇数羽状複葉です。

マメ科、ミヤコグサ属、日本、中国、朝鮮半島に分布

学名    Lotus japonicus

別名「エボシグサ」(烏帽子草)、花の形が、烏帽子に似ているからとか

 

 

次のマメ科の花は、「クサフジ」(草藤)の花です。

<「クサフジ」>

花や葉が、「藤」の花や葉に似てる故の命名とか、「藤」が、樹木で、此は、<草>なので此の名前がついた由

亦、「藤」の花序が下垂するのに対して、「クサフジ」は、花穂が、上に向かって伸びる違いが有ります。

総状花序に、白色、淡い紫色や青紫色の蝶形の花が密生します。

仲間の「カラスノエンドウ」の花や葉に似ていて、偶数羽状複葉、小葉が、10枚以上着きます。

マメ科、ソラマメ属、蔓性多年草、日本、北半球の温帯地域に分布するとか

学名 Vicia cracca、英名 Tufted Vetch



最後は、「ムラサキセンダイハギ」です。

<「ムラサキセンダイハギ」(紫先代萩)>

黄色い蝶型の花を咲かせる「センダイハギ」の名前は、仙台藩のお家騒動、伊達騒動を題材にした歌舞伎<伽羅先代萩>

に由来するとか、「紫先代萩」も、総状花序にマメ科特有の蝶型の花を咲かせます。

「センダイハギ」の花に似た蝶型の青紫色の花を咲かせるので、此の名前の由来に鳴ってます。

葉は、3出複葉、裏に白い毛が、生えた小葉は、楕円形で互生します。

草丈が、90cmから120cm と背丈が高いのも特徴です。

花色が、チョコレート色等の交配種も見受けられます。

マメ科、アメリカンセンセンダイハギ属、多年草、北アメリカ原産、学名    Baptisia australis

別名「バプテシア」

 

以下は、過去に載せた記事の再掲載です。

今、ヤマモガシ科の花
キンポウゲ科の「ニゲラ」(黒種草) Nigella damascena    ヤマモガシ科のユニークな形の花々が、今盛りです、“窓” の清楚な「ニゲ...
 

 


マメ科の花(4)

2022-06-12 | 植物 花

今日のマメ科の花は「クリムソンクローバー」、「ロータス・ベロセロティー」、「ロータス・ヒルスタス」です。

 

<「クリムソンクローバー」>

白い花を咲かせる「クローバー」シロツメグサ / 白詰め草   Trifolium repens の 近縁種ですので

穂状の蝶型の花の姿は、似ていますが、花色は、赤い色です。

・ ・ ・ が、白色の花も有る様で混乱しますが、草丈が、「クローバー」より高い違いが有ります。

「クローバー」と同様、明治時代に牧草として、ヨーロッパから入ってきたとのことです。

”詰め草” ですから、乾燥してパッキング材としても利用した由

茎先に、マメ科特有の蝶型の赤い花が、円錐穂状に集まって咲くので

姿が、”赤いトーチ”、”赤いキャンドル” になります。

別名に「ストロベリートーチ」、「ストロベリーキャンドル」の名前が付く理由です。

「シロツメクサ」の仲間ですから、葉も3枚の小葉で3出複葉、互生します。

草丈は、30~50Cm、花序の高さは、5~7Cm、ヨーロッパから牧草として入ってきた由

マメ科、シャジクソウ属、一年(多年)草、ヨーロッパ原産、学名  Trifolium incarnatum

英名   Crimson clover、Strawberry candle

別名は、他に「ベニバナツメクサ」紅花詰草、「オランダレンゲ」、「ストロベリーキャンドル」等



 

次のマメ科の花は、「ロータス・ヒルスタス」です。

春先に、毛深いクリームエイローの葉を輝かせていた「ロータス・ヒルタス」ですが

今は、葉は、緑色に変化して、マメ科特有の蝶型の花を咲かせています。

花が咲く迄は、観葉植物としても愛でられています、早春に映える明るい色です。

 マメ科、ミヤコグサ属、多年草、地中海沿岸原産、学名 Lotus (Dorycnium) hirsutus 'Bristone' 、別名「ブリストン」



 

<「ロータス・ベルセロティー」>

暗赤色のユニークな形の花です、「オウムノクチバシ」(鸚鵡の嘴)の異名が付いています。

線状の灰緑色の葉に、赤い花が浮き立ちます。

秋口まで、長い花期を愉しみます、花が、黄色い種類(ロータス・マクラツム)も有ります。

マメ科、ロツス(ミヤコグサ)属、半耐寒性多年草、カナリア諸島原産、学名 Lotus berthelotii

別名「ロータス・ベルティロッティー」


黄色花の「ロータス・マクラツム」Loutus maculatus

 

例に依って、過去の記事の再掲載です、”黒色の名前で” の題名でした。

”黒” の名前が付いて(1)

此の時季、<黒>の名前が付いた花が視られます、黒い色は、花に不相応な様な気がしますが ・ ・ ・「クロバナフウロ」<黒花風露>の花です。<「クロバナフウロ」>......